HyundaiとSamsungの戦略的同盟が広がる、ロボット専用の高性能バッテリを共同開発

.

韓国のHyundai Motor(現代自動車)グループとSamsung(サムスン)グループが、ヒューマノイド(人型ロボット)に搭載する高性能バッテリやスマートファクトリに向けたローカル5G RedCap(Reduced Capability)などにおける協業を相次いで発表した。Hyundai Motorの電気自動車にSamsung SDIのバッテリを搭載すると2023年に発表して以降、両グループの協力関係が広がってきた。韓国内では、米国や日本、中国に対抗するための戦略的同盟とみられている。

 2025年2月24日にはHyundai Motorと韓国Kia、Samsung SDIがロボット専用バッテリを共同開発すると発表した(図1)。Hyundai Motorなどによると、現在はロボット専用のバッテリがないため、工具用か小型電気自動車(Light Electric Vehicle)用のバッテリを搭載するロボットが多い。しかしロボットの形状は多種多様で、取り付けるスペースも限られているためバッテリが小さくなりがちで、出力容量も減少してしまう。

図1 ロボット用バッテリの共同開発に関する提携の調印式

Hyundai MotorとKia、Samsung SDIの3社がロボット用の高性能バッテリを共同で開発する。写真はHyundai MotorとKiaでVice President兼Head of Robotics LABを務めるDong Jin Hyun氏と、Samsung SDIでExecutive Vice President兼Head of Strategic Marketing Teamを務めるHans Cho氏。(写真:Hyundai Motor)

この記事は日経Robotics購読者限定です。次ページでログインまたはお申し込みください。

次ページ3社は、バッテリのエネルギ密度を高めて出力と使用…

趙 章恩=(ITジャーナリスト)  

《日経Robo》 2025. 3.  

-Original column 

HyundaiとSamsungの戦略的同盟が広がる、ロボット専用の高性能バッテリを共同開発 | 日経Robotics(日経ロボティクス)

韓国新興がCES「Best of Innovation」受賞、現代自はNVIDIAとパートナーシップを発表

.

 世界最大規模のテクノロジー見本市「CES 2025」が2025年1月7日から10日まで米ラスベガスで開催された。世界中から4500以上の企業・団体が出展し、14万1000人以上が来場した。

 CES 2025で韓国企業はスタートアップを含め1031社が出展し、過去最多を更新した。CES 2025の「Innovation Award」は458の製品・サービスが受賞し、その中から「Best of Innovation」として選出された34の内、15が韓国企業の出展だった。その多くがAI関連で、CES 2025のテーマである「Connect.Solve.Discover.DIVE IN.」の通り、韓国企業はホーム、教育、モビリティ、ヘルスケアなど幅広い分野で、既存のサービスをAIでより簡単かつ短時間、低費用でできるソリューションを出展した。

この記事は日経Robotics購読者限定です。次ページでログインまたはお申し込みください。

次ページCES2024に比べて応募が1.5倍に増え、激戦..

趙 章恩=(ITジャーナリスト)  

《日経Robo》 2025. 2.  

-Original column 

韓国新興がCES「Best of Innovation」受賞、現代自はNVIDIAとパートナーシップを発表 | 日経Robotics(日経ロボティクス)

政治混乱の中でも「AI基本法」が成立、通信業界で始まるAIエージェント競争

.

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が非常戒厳を宣言した2024年12月3日から続く政治混乱の中でも、韓国のAI産業は着実に前に進んでいる。12月17日には国会で「AIの発展と信頼基盤造成などに関する基本法案」、いわゆるAI基本法が議決された。科学技術情報通信部(部は省に当たる)がAI投資の活性化とAI産業の発展のため、3年ごとにAI基本計画を樹立して支援する。AI産業に対する規制も最小限に留めることにした。

 AI基本法は、政府がAI産業を支援するために予算を使う根拠になる法律である。今まではAIに関する法律がなく、企業の新規事業に対して政府が後から規制をかけて問題になることが多かった。

この記事は日経Robotics購読者限定です。次ページでログインまたはお申し込みください。

次ページ同法により、政府は国家レベルのAIデータセンター…

趙 章恩=(ITジャーナリスト)  

《日経Robo》 2025. 1.  

-Original column 

政治混乱の中でも「AI基本法」が成立、通信業界で始まるAIエージェント競争 | 日経Robotics(日経ロボティクス)

現代自動車がウエアラブルロボットを製品化、市場拡大を見越したスタートアップも続々

.

韓国Hyundai Motor(現代自動車)と韓国Kia(起亜)がウエアラブルロボット市場への本格的な参入を開始した。

 「X-ble」ブランドの第1弾として両社は2024年11月28日、生産現場の作業者向けウエアラブルロボット「X-ble Shoulder」を発表(図1)。腕を上げて作業する際の動作をサポートし、筋骨格系の負担を軽くするものだ。これにより、肩関節の負荷を最大60%、三角筋の筋活動を最大30%軽減できるとする。

図1 生産現場の作業者向けのウエアラブルロボット「X-ble Shoulder」

頭上に手を持ち上げる必要がある作業を補助する。モーターなどの電動システムは搭載せず、スプリングとリンク機構の組み合わせで動作補助を実現する。2025年上半期以降、Hyundai MotorとKiaの工場に導入し、Hyundai Motorグループの工場や外部へと販売を拡大していく。2026年からは欧米など海外市場にも進出する計画だ。(写真:Hyundai Motor)

 Hyundai MotorとKiaは2018年にロボティクスラボを設立し、産業用ウエアラブルロボットの研究を始めた。2020年からはHyundai MotorとKiaの工場で自社開発したウエアラブルロボットを導入。上を向いて作業する際に上半身の筋力を補助したり、中腰で作業する際に腰を支えたりするロボットだ。

この記事は日経Robotics購読者限定です。次ページでログインまたはお申し込みください。

次ページしかし、着用感があまり良くないという社員の不満の…

趙 章恩=(ITジャーナリスト)  

《日経Robo》 2024. 12.  

-Original column 

現代自動車がウエアラブルロボットを製品化、市場拡大を見越したスタートアップも続々 | 日経Robotics(日経ロボティクス)

京畿道で「AIとHumanomics」フォーラム、画像生成AIコンテンツの国際映画祭も

.

韓国の京畿道(道は日本でいう都道府県)で2024年10月下旬、「AI and Humanomics」をテーマとしたフォーラムと生成AIで制作した映像コンテンツの国際映画祭「KOREA INTERNATIONAL AI FILM FESTIVAL (K-AIFF)」が開催された。ソウルを囲い込むような形をしている京畿道は韓国で最も人口が多い自治体である。Samsung Electronics(サムスン電子)やSK Hynix(SKハイニックス)、インターネットサービス会社のNAVER、通信キャリアのKTなどの大手とAI関連会社2万社以上が京畿道に本社を置いている。韓国内で京畿道は首都ソウルに続くAI産業の中心地の位置づけであり、AIサービスのために必要なデータセンターも積極的に誘致している。韓国政府が指定したAI専門大学院19校の中で3校が京畿道にあり、ソウルの次に多い。AI人材の育成にも熱心な自治体である。

この記事は日経Robotics購読者限定です。次ページでログインまたはお申し込みください。

次ページ京畿道は新型コロナウィルス感染症のパンデミックが…

趙 章恩=(ITジャーナリスト)  

《日経Robo》 2024. 11.  

-Original column 

京畿道で「AIとHumanomics」フォーラム、画像生成AIコンテンツの国際映画祭も | 日経Robotics(日経ロボティクス)

米国政府のインテル株取得で韓国内は大騒ぎ、サムスンなどへの影響懸念

 韓国・李在明(イ・ジェミョン)大統領が2025年8月23日、日本を訪問し、石破茂首相と首脳会談を行った。韓国の大統領が就任後、米国より先に日本を訪問するのは1965年国交正常化以来のことで大きな話題になった。韓国では李大統領が日本を先に訪問するのは、同月25日に行われた韓米首脳会談を前に日本と米国の関税対策について話し合い、韓国、日本、米国の同盟関係を強化するためではないかと見られていた。

 実際に8月24日魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は東京都内で記者会見を開き、「日本側が米トランプ大統領との関税交渉の経験と感じた点を韓国側と共有した」「大変参考になった。日本側に感謝する」と述べた。

 李大統領も8月24日、東京からワシントンDCへ向かう専用機の中で同行した記者らに、「石破総理はとても友好的で韓国と米国の交渉に対し助言してくれた」「(首脳会談の)現場で私が特別に要請すると、日本と米国の交渉内容についてより具体的に話してくれて、韓国が米国と交渉する際にどのような点に注意すればどのような利点があるだろう、といったことについても(これから継続して話すなどして)協力すると約束した」「20分の予定だった少人数会談が60分になったのは日本と米国の関税交渉について話を聞くため」だったと説明した。

 2025年7月31日に行われた韓国と米国の関税交渉の際も、先に米国と交渉した日本政府からの情報を得て参考にしたという。韓国では米国の関税に打撃を受けるのは韓国も日本も同じなので、日本と足並みをそろえて米国と交渉すれば、より効果があるのではないかといった予測もあった。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます。次ページでログインまたはお申し込みください。

次ページ米国政府の株保有でインテルのファウンドリーシェア…

趙 章恩=(ITジャーナリスト) 
(NIKKEI TECH)
 2025. 8. 
-Original column

米国政府のインテル株取得で韓国内は大騒ぎ、サムスンなどへの影響懸念 | 日経クロステック(xTECH)

サムスン電子の半導体事業、テスラとアップルとの契約で大チャンス

.

2025年8月25日(米国時間)に開催される韓米首脳会談では半導体、バッテリー、自動車、造船といった韓国を代表する産業の対米投資や経済協力に関して議論する予定とされる。2025年7月31日に行われた関税交渉の結果、韓国の関税は15%、対米投資は3500億米ドルで決まった。韓米首脳会談の日程に合わせて、韓国企業が対米追加投資を発表する見込みである。既に韓国Samsung Electronics(サムスン電子)は米国内での半導体生産を拡大する準備を整え、2030年まで370億米ドルを米国に投資するとした。韓国の証券業界では、関税対策のためサムスン電子の対米投資は370億米ドルを超え、500億米ドル近くなる見方もあった。

 米国内での生産準備を整えたサムスン電子は、2025年7月に米Tesla(テスラ)と米テキサス州テイラー半導体工場でAI(人工知能)半導体「AI6」を生産する165億米ドル規模の契約を結び、同年8月に米Apple(アップル)とも数兆ウォン規模になると見られる高性能イメージセンサーの生産契約を結んだ。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます。次ページでログインまたはお申し込みください。

次ページ達成困難に見えた「半導体ビジョン 2030」に光…

趙 章恩=(ITジャーナリスト) 
(NIKKEI TECH)
 2025. 8. 
-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01231/00138

李在明政権が全国民にクーポン1万5000円分配布で消費促進に成功

.

クレジットカード会社「KBCARD」の民生回復消費クーポン申し込み画面
クレジットカード会社「KBCARD」の民生回復消費クーポン申し込み画面

 韓国の李在明(イジェミョン)大統領は7月、就任後初の景気浮揚策として全国民に「民生回復消費クーポン」を給付した。1人最低15万ウォン(約1万6000円)で、農漁村住民や生活保護受給者は上乗せされる。

 現金支給ではなく、使用しているクレジットカードや各種ペイ経由で申請すると決済した金額から消費クーポン分が減額される。本人名義のカードやペイがない人はプリペイドカードがもらえる。残額はその都度携帯に通…

残り362文字(全文562文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

※購読には毎日IDのご登録が必要です今すぐ登録して続きを読む

またはエコノミストに登録済みの方はこちらからログイン毎日IDのみお持ちの方はプランのお申し込みが必要です

趙 章恩=(ITジャーナリスト)


週刊エコノミスト
2025. 8


-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250902/se1/00m/020/065000c

韓国で人気の「モイム口座」とは?

.

「モイム口座」のサンプル画面 (KakaoBank提供)
「モイム口座」のサンプル画面 (KakaoBank提供)

 韓国銀行(中央銀行)の金利引き下げにより、韓国の5大銀行の預金額は2025年4月末時点で629.4兆ウォンと前月比20.7兆ウォン減少した。統計庁によると、4月の消費者物価指数は前年同期比2.1%上昇した。定期預金の金利は1.8%前後なので、物価上昇率より低い。

 そんな中、「モイム口座(集まり口座)」だけが利用者を増やしている。複数人が管理する共有口座で、インターネット銀行のKakaoBankが…

残り344文字(全文544文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

※購読には毎日IDのご登録が必要です今すぐ登録して続きを読む

またはエコノミストに登録済みの方はこちらからログイン毎日IDのみお持ちの方はプランのお申し込みが必要です

趙 章恩=(ITジャーナリスト)


週刊エコノミスト
2025. 6


-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250624/se1/00m/020/063000c

韓国Z世代の次なるブームは「低速老化」

.

低速老化をテーマに販売されているコンビニ弁当 (韓国セブン─イレブン提供)
低速老化をテーマに販売されているコンビニ弁当 (韓国セブン─イレブン提供)

 急速に高齢化が進む韓国で「低速老化」が流行語になっている。低速老化とは、老化を遅らせるために低糖・塩分控えめの食事をするなど生活習慣を変えることである。

 20代のZ世代の間で大ブームになっているのが特徴。期待寿命が長くなった分、早めに老化に備えたいという雰囲気だ。老化を恐れず、アンチエイジングよりウェルエイジングのために努力するという。一時期、驚くほど辛いインスタントラーメン「プルダックポックン…

残り351文字(全文551文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

※購読には毎日IDのご登録が必要です今すぐ登録して続きを読む

またはエコノミストに登録済みの方はこちらからログイン毎日IDのみお持ちの方はプランのお申し込みが必要です

趙 章恩=(ITジャーナリスト)


週刊エコノミスト
2025. 4


-Original column

https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20250415/se1/00m/020/065000c