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2013年1月23日から25日まで、教育科学技術部(日本の文部科学省にあたる)が主催したSmart Edu Week(Education Fair)が盛大に開催された。Education Fair は今年で10年目を迎える韓国最大規模の学校教育専門展示会である。今年は131社が参加し、スマートデバイス、スマート教育ソリューション、スマート学習アプリを展示した。英語教育、放課後教室プログラム、体育・芸術教育教材の展示も同時開催した。
展示会は大きく学校向けと保護者向けに分かれていた。学校で使えるスマートラーニング用電子黒板とタブレットPC・電子教卓のセットと各種ソリューションは、もう何年も前から展示している。今年は端末そのものの新しさより、学校現場や家庭でどのように活用しているのか、事例発表や模擬授業に力を入れていた。保護者向け子ども安全アプリと0歳から使えるという英語学習アプリの展示が増えた印象だった。
韓国のスマート教育は、製品を作る企業側も、政策を担当する省庁も、利用する学校や保護者側も積極的に関心を持っている。製品に焦点を当てるのではなく、それをどう使えば子どもためになるのか、学校現場の活用事例を見せる展示会というところが面白い。スマート教育を利用する環境が整いハードウエアもある程度普及したので、デジタル教材を作成し共有する教育クラウド、先生のスマートな授業法開発、といったところが今後の課題になっている。
サムスン電子はスマート教育用の端末やソリューションを、学校現場でどのように活用すれば先生も学生も楽しく授業できるのかを提案する展示構成だった。65型スマートTV、75型LEDモニター、GALAXY Note10.1とWindows 8搭載ATIVスマートPCを活用して、先生の端末から学生の端末画面を確認し、随時添削できること、先生がその場でクイズ問題を作って学生の画面に送信し、その日学習したことをちゃんと理解したかテストできることなどを実演した。自動出欠管理、先生が授業中使うデジタル教材を簡単に作れるようにするSペン機能、タブレットPCを使った動画撮影と編集機能も紹介した。
GALAXY Note10.1を実際に導入した小学校の先生を展示場に招待して、「私はスマート教育をこのように行っている」という実例を見せる時間もあった。スマート教育というと、タブレットPCばかり見て教育的効果があるのか? といった疑問を持つ人もまだいる。しかし実際にスマート教育を実践する先生は、「韓国のスマート教育は最初から最後までタブレットPCを使うのではなく、授業中に先生と学生のコミュニケーションを助けるため、またいろいろなマルチメディア資料を使って子どもの理解力を高めるため、より子どもたちを楽しく授業に参加させるための道具として使っている」、「先生も学生もタブレットPCに縛られているわけではない」という。
サムスン電子は韓国だけでなく、世界市場も狙う。同社は2012年11月、EU参加国の教育省ネットワークであるEuropean School Netと提携し、教育とICTの融合について共同研究や端末提供を始めた。中国、米国の学校にも同社製電子黒板とタブレットPC、スマート教育ソリューションを提供して、新しい教育環境を作る実証実験を行っている。
趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20130207/1079072/