韓国語・韓国文化に特化した大規模言語モデル、ChatGPTと差異化図る開発競争が激化

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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

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 経済協力開発機構(OECD)のWebサイトでも紹介されている、英ニュースメディアTortoise Media社が2023年6月に発表した「The Global AI Index」1)で韓国は6位となった(図1)。AIに関するこのランキングはAIインフラ、運営環境、研究開発、政府政策、商用化などを点数化したもので、上位5カ国は米国、中国、シンガポール、英国、カナダだった。韓国の科学技術情報通信部(部は省に当たる)によると、自国語の大規模言語モデル(LLM)を保有するのは米国、中国、イスラエル、韓国ぐらいで、これも順位に影響したと見ている。

図1 韓国が6位にランクインした「The Global AI Index」

図1 韓国が6位にランクインした「The Global AI Index」

(画像:Tortoise Media社のWebサイトをキャプチャー)

 米OpenAI社の生成AIであるChatGPTが公開されてから、韓国では企業が業務効率化のために社内でChatGPTを導入する事例が増えている。その中でChatGPTに対抗すべく、韓国企業による韓国語と韓国文化に特化した生成AIやLLMの開発競争が始まった。インターネットサービス大手のNAVER社やKakao社、通信キャリアのKT社やSK Telecom社だけでなく財閥大手のLGグループ、SamsungグループもLLMを自社開発している。

 韓国政府も2023年4月、大統領直属組織であるデジタルプラットフォーム政府委員会が「超巨大AI競争力強化方案」を発表、2023年末までに3901億ウォンを投資してデータやソフトウエア、コンピューティング資源を拡充することを決めた。韓国語LLMを法律相談、診療所見作成支援、統計データ検索、韓国語教育といった公共のサービスに導入し、専門分野AIと韓国語使用AIプラットフォームの競争力を高めることを狙う。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)  

《日経Robo》 2023. 9.  

-Original column

韓国語・韓国文化に特化した大規模言語モデル、ChatGPTと差異化図る開発競争が激化 | 日経Robotics(日経ロボティクス) (nikkei.com)