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英Reuters(ロイター)が「24年を目標にアップルが自動運転EVを開発している」と報じたのをきっかけに、このアップルカーをどこが生産するかに関心が集まり、「アップルが現代自動車と交渉している」「アップルが起亜自動車に4兆ウォンを投資する」といった報道が相次いでいた。しかし、現代自動車グループが否定したことで、アップルカーを巡る狂騒は新たな展開を見せようとしている。
結果的には得をした?
ただし、現代自動車グループが候補から完全に外れたと判断するのは早計かもしれない。韓国では、声明に出てくる文言が「EV」ではなく「自動運転車」となっていることから、協議は打ち切られたのではなく主導権争いのために一時的に中断しただけとの見方もある。仮に協議が物別れに終わったとしても、現代自動車グループはアップルのパートナー候補に選ばれるくらい技術力があると全世界にアピールできたので、結果的に得をしたのではないかという意見もあった。
現代自動車や起亜自動車の株価はアップルカー関連報道が出るたびに上昇していたが、2月8日のコメント発表後は急落した。しかし、翌9日にはEV新型車への期待から現代自動車の株価は再び上昇した。
2月9日には、起亜自動車がオンラインの投資家向けイベント「CEO Investor Day」で中・長期戦略を発表。独自ブランドで勝負する姿勢を強調し、「クルマを製造・販売する会社から顧客に革新的なモビリティー経験を提供するブランドになる」と宣言した。現代自動車グループのEV専用プラットフォーム「Electric-Global Modular Platform(E-GMP)」を適用した7車種を26年までに公開し、30年に年間88万台以上のEV販売を目指す。
さらに、EVをスマートフォンのようなスマートデバイスとして使えるように、インフォテインメントを強化し、搭載するソフトウエアをユーザーが選択できるにする。21年3月に公開するEV(コードネーム「CV」)には、自動運転レベル2(部分自動運転)に当たる自動運転技術「HDA2(Highway Driving Assist 2)」を搭載する。
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2021.2 .
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