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2014年10月27~29日に、韓国・釜山で「ヘルスケアIT融合展示会」が開催された。韓国産業通商資源部(経済産業省に相当する省庁)と釜山市が主管したイベントで、医療とITの融合で新しいヘルスケアサービスを提供している韓国の大学病院や通信キャリアなど50社が展示に参加した。
韓国産業通商資源部は2013年11月に「ヘルスケア新市場創出戦略」を発表、韓国企業の新規ヘルスケアサービス研究開発や海外進出を支援している。2014年からはウエアラブルデバイスを「産業エンジンプロジェクト」に指定し、今後10年間集中投資することにした。そのため韓国産業通商資源部は毎年3月にソウルで行われている医療機器展示会とは別に、医療とITを組み合わせた展示会を開催することにした。
今回の展示会はITU全権委員会議(International Telecommunication Union Plenipotentiary Conference 2014)の一環として開催、韓国の病院情報化やヘルスケアサービスを海外の政府関係者やバイヤーに紹介する目的が強かった。
ITUは無線通信と電気通信分野の国際協力、標準化と規制確立を目的とする国際機構で198カ国が参加している。4年に一度行われるITU全権委員会議は情報通信分野でもっとも権威のある国際会議であり、2014年は10月20日から11月7日まで釜山で開催された。釜山にはITU参加国198カ国の中のうち193カ国の政府代表者約3000人が集まった。
韓国産業通商資源部は、「ヘルスケア産業は病院、医療機器、情報通信、サービス産業など多様な産業が融合する分野だけに経済への波及力が大きい。韓国のヘルスケア企業は高い技術力を持っていながらも知名度が低く海外進出が難しかったため、展示会を開催することになった」と説明した。
3つのコーナーに分けて展示
ヘルスケアIT融合展示会は、「病院情報館」、「ユビキタスヘルスケア館」、「ウェルネス館」の3つのコーナーに分けて病院向け情報システムやヘルスケアサービス、ウエアラブルデバイスを展示した
キャリアのSK Telecom社とヘルスケアビジネスのためにジョイントベンチャーを設立したソウル大学病院や開催地釜山を代表する釜山大学病院は、病院内で使っている遠隔診療や情報システム、検査結果・処方などを紙ではなく電子データでやりとりする様子などを展示した。
家庭で各種センサーを使ったヘルスケアサービスを利用すると何がいいのかを演劇にして見せるコーナーもあった。これは釜山地域の大学生が参加した演劇で、海外のバイヤー向けに韓国ベンチャー企業のウエアラブルデバイスとセンサー、アプリケーションなどの使い方と効果などをエピソード交じりで面白くわかりやすく演じた。
釜山地域のミスコンテスト出身美女を集めたウエアラブルデバイスファションショーなる催しもあった。韓国の大手からベンチャーに至るまで各社が発売しているウエアラブルデバイスとスポーツウェアを組み合わせたファッションショーだった。一般の参観者向けの健康相談コーナーやウエアラブルデバイス体験コーナーもあった。
展示会場ではKOTRA(大韓貿易投資振興公社)の主催で輸出商談会が行われた。病院情報化やヘルスケアサービス導入を検討しているオマーン王立病院と保険省、タイの国立健康管理公団、スリランカでもっとも大きい民営病院であるナワロカ病院、チェコのe-Healthセンターなど中東・ヨーロッパ・アジアから44機関が参加し、韓国のベンチャーや中小企業68社が自社の技術とサービスを売り込んだ。この日現場で契約成立となったのが61万米ドル、契約見込みは210万米ドルに及んだ。