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米Apple(アップル)がスマートフォン(スマホ)シェア過半を占める「iPhone天国」の日本で、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)のシェアが上昇している。アップルや中国勢との競争に脅かされるようになってきた王者サムスン電子にとって、これまでシェアが少なかった市場の攻略が欠かせない。最後の激戦地になるとみられるのは中国市場だ。
韓国メディアは2022年5月中旬、「アップル天下の日本で、サムスン電子が約10年ぶりにスマホのシェアを獲得した」と大きく報じた。調査会社である米Strategy Analytics(ストラテジーアナリティクス)が発表した調査結果を引用し、「22年1〜3月の日本におけるサムスン電子のシェアが13.5%に高まり、2位に浮上した」などと書いた。
ストラテジーアナリティクスの調査によると、日本におけるサムスン電子のシェアは、12年に15%弱を確保して以降、16年には3%台まで下落した。今回のサムスン電子のシェアは約10年ぶりの水準であり、韓国メディアは大いに盛り上がっている。
同調査による22年1〜3月の日本市場におけるシェア1位はやはりアップルだ。6割近いシェアを維持している。それでも韓国メディアは「韓国製スマホの墓場」ともいわれる日本市場でシェアを拡大したサムスン電子を偉業としてたたえている。
サムスン電子が日本市場で確保した13.5%というシェアには、世界で人気を集めている同社の最新フラッグシップスマホ「Galaxy S22シリーズ」の影響は含まれていない。日本市場において同機種は22年4月の発売であり、調査期間中は未発売だったからだ。そのため22年4〜6月以降の日本市場において、サムスン電子のスマホシェアは、さらに伸びるという展望もある。
サムスン電子が日本でシェアを伸ばせたのは、地道なプロモーションの成果だろう。17年からスマホ本体の「Samsung」ロゴを消し、ブランド名の「Galaxy」のみを表記するように変えた。さらに19年には東京・原宿に世界最大規模の体験施設「Galaxy Harajuku」をオープンした。人気K-POPグループ「BTS」を起用したキャンペーンも日本で浸透している。
KDDIが22年3月末に3Gサービスを終了し、スマホを求めるユーザーが増えた点もサムスン電子にとって追い風になった。
趙 章恩=(ITジャーナリスト)
(NIKKEI TECH)
2022. 5.
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