.
韓国ではすっかり生活の一部として根付いたアプリの中に「出前アプリ」と「タクシー配車アプリ」がある。文字通り電話ではなくアプリ経由でいろいろな料理を出前できるアプリ、自分の居場所と目的地を入力してタクシーを配車してもらうアプリである。ユーザーの立場からすると、電話より自分の好みや現在位置を正確に伝えられるので、より満足度の高いサービスを利用できるメリットがある。
お店の立場からすると、アプリを利用することでチラシを配らなくてもアプリを見てお店にオーダーしてくれるので、営業費用を節約できる効果があるという。最近韓国のテレビ番組では、オンラインのユーザーをオフラインに引き寄せるO2O(Online 2 Offline)戦略の効果を実感したお店をよく紹介している。
路地裏の小さい鶏料理専門店が、出前アプリを使ったことで出前注文が6倍増え、アプリ会社に手数料を払っても月々の売上が4倍も増えたといった事例が紹介されていた。アプリ会社側も手数料を取るだけでなく、どうすればアプリ上で注文を増やせるかコンサルティングをしてくれるので、リストラで行き場のない中高年が自営業者として再出発するのに助かっているという内容だった。
タクシーアプリに関しても、ユーザーもタクシー運転手も無料で使える配車アプリのおかげで、タクシー運転手は短時間に効率良くたくさんの客を乗せられるようになり、アプリを使う前に比べ1日の売上が3000円ほど伸びたという事例もテレビで紹介していた。今までは電話でタクシー会社に連絡をして予約していたが、「カカオタクシー」の方が運転手会員数が多く、すぐタクシーが来るので便利だという。
次ページ: 韓国で最も人気の高いタクシー配車アプリはカカオタクシーである。2015年3月にサービスを開始してから、アプリ…