この冬休み、韓国の小学生に大人気のキャンプがある。それは「経済キャンプ」。3泊4日で保護者と一緒にお金の管理法や使い方について学ぶキャンプだ。1か月のお小遣いをどう使うかの計画から、金融、家庭経済、国家経済の仕組みまでゲームやクイズ大会、実践を通して学ぶ。
この経済キャンプ、そもそもは金融機関が自社社員の子供を対象に開催したものだった。それがいつしか話題になり、今ではいくつかの専門会社が年中開催していて、資金作りから事業アイテム選び、事業計画書発表、投資誘致など大人にも必要な内容を教えてくれる。専門家によると、自転車と同じで一度身につければ一生忘れないのが経済感覚だそうだ。
本屋さんでも小学生を対象にした経済教育書が飛ぶように売れている。既に80冊以上が出版され、お金に詳しくなる本、お金持ちになれる本などストレートなタイトルが多い。いずれも冒険小説のように書いてあるので読みやすい。
テレビでも子供のための経済番組が増え、ドラマ仕立てのものから小学生が企業を起こし経済活動を体験させる番組まで色とりどり。その目的はお金の価値と賢く使う方法を教え、子供の時からはっきりした「経済観」を持たせることだ。
1人っ子が多いので、おねだりすれば何でも手に入ると考え、ブランド品買い競争に走る小学生が多い。お金を使うことだけに慣れてしまうとお金の価値がわからず、大人になっても無計画な消費をしてしまう可能性が高い。それに経済教育を受けた子供は、そうでない子供に比べ独立心が強くなり、判断力を持ち自分の将来についても詳細に計画し始めるという。
キャッシングサービスの使い過ぎによる個人破産が、日本でも韓国でも深刻な問題になっている。韓国では「信用不良者」と呼ばれる債務者が400万人近く、カード会社までが破産寸前の危機に陥っている。利子が高く1度延滞させてしまうともう最後。利子が利子を生み10万円のキャッシングがいつの間にか100万円になってしまう場合も多く、カード返済のために宝くじに溺れたり20代の女性が銀行強盗で捕まったり、騒がしいニュースが後を絶たない。
韓国のある銀行の調査によると、「子供の人生に最も重要なものは?」という質問に70%の親が「お金を管理できる力」と答えた。でも家庭での経済・金融教育は9.4%だけが「ちゃんとしている」と答え、その理由として32%が「教え方が分からない」と答えた。
人間とお金は切っても切れない仲。数学の成績より重要なのがお金の管理だ。子供は親を見て育つ。私達からちゃんと計画的な資産運用をしなくては。