人気検索キーワードで分かった、韓国人はスマホとエンタメ情報に首ったけ?!

 韓国の検索ポータル市場シェア73%を占めるNAVERが、2011年の検索キーワードランキングを同年12月、発表した。


 NAVERで検索されたキーワードの1位はソーシャルコマースサイトの「クーパン」、2位もソーシャルコマースサイトの「チケットモンスター」であった(関連記事)。ソーシャルコマースは日替わりで商品を半額で販売していて、SNSで口コミが広がり一定以上の人が購入するとさらに割引されるショッピングサイトである。


 3位は地上波テレビ番組の「私は歌手だ」。歌番組なのだが、歌手を7人出演させて、聴衆の投票で1位から7位までを決め、最下位になった人は脱落しまた新しい歌手が登場するというプロの歌手を対象にしたサバイバル番組である。毎回自分の持ち歌ではなく、他の歌手の曲をアレンジして歌う課題が出されるので、今週はどんな曲が課題なのか、誰が脱落するのか、新しく合流するのは誰か、今番組で流れる曲名は何か、といったことを検索する人が多く、ポータルサイトごとに特設コーナーまであるほどだ。






NAVERの2011年検索キーワードランキング発表画面。1位「クーパン」(ソーシャルコマースサイト)、2位「チケットモンスター」(同)、3位「私は歌手だ」(テレビ番組)

俳優のペ・ヨンジュンも出演したドラマだったので、韓国でも大変な話題になった。

 ブルーホールスタジオが開発し、NAVERの運営会社NHNが提供するオンラインロールプレイングゲーム(MMORPG)の「TERA」は5位。中世ヨーロッパを舞台したファンタジーで、2011年韓国ゲーム大賞で大賞である大統領賞、サウンド賞、グラフィック賞、キャラクター賞を獲得し4冠に輝いたゲームでもある。生き生きしたキャラクターとグラフィックが印象的で、ゲーム大賞の審査員からもMMORPGのレベルを上げたと評価された。



 6位は日本でも販売されているサムスンのスマートフォン「Galaxy S2」。2011年7~9月期は世界市場でiPhoneよりも売れたスマートフォンとして話題になっている。


 7位はケーブルテレビ番組「スーパースターK3」。米国の人気テレビ番組「アメリカンアイドル」のようなオーディション番組で、2011年はシーズン3が放送された。オーディションの予選参加者だけで196万7267人に上る。人口5000万人の国で200万人近い人がオーディションを受けたということからも、国民的な人気ぶりが分かる。優勝者には賞金5億ウォン(約3500万円)が与えられ、プロの歌手としてデビューする。


 スーパースターK3はネットからも番組が見られるようにVOD(ビデオ・オン・デマンド)が公開されている。一方、誰が合格するのか知りたくて、オンエアといってテレビと同時にネットでも配信する生放送を見ようとアクセスした人も多く、毎週平均3万8000人が同時接続していた。携帯電話から投票するSMS投票も最終回のファイナル投票には170万件の投票が殺到した。


 オーディション出演者の名前を検索したり、オーディションの投票に参加したり、裏話を検索したりとネットでも話題が絶えなかった。


 8位はiPhone 5。iPhone 5のスペック、発売日が気になるのは韓国のスマートフォンユーザーも同じである。2012年早々サムスンのGalaxy S3が発売されると噂されているだけに、購入を検討するユーザーは、iPhone 5 にするかGalaxy S3にするか、悩ましい。


 9位はイ・ジア、10位イム・ジェボムと世間を騒がせた芸能人の名前が挙がっている。秘密主義で私生活がヴェールに包まれていた女優のイ・ジアが、ずっと独身だと思われていた一世を風靡した大物歌手を相手に離婚訴訟を起こし韓国社会を驚愕させた。イ・ジアは日本でも放映されたドラマ「太王四神記」と「ベートーベン・ウィルス~愛と情熱のシンフォニー~」の主人公である女優。イム・ジェボムはキーワードランキング3位の「私は歌手だ」に出演して再起に成功した往年のロック歌手である。


 2011年から新しく集計されることになったスマートフォンからの検索キーワードランキングは、1位が「私は歌手だ」、2位が「スーパースターK3」で優勝したグループ「ウララセッション」、3位がiPhone 5、4位が「スーパースターK3」、5位がポータルサイトで無料公開されているウェブマンガ(韓国ではWebtoonという)であった。


 一方、移動通信キャリアSKテレコムのグループ会社であるSKマーケティング&カンパニーが成人9016人を対象に調査した「2011年IT・モバイル最高のイシュー」では、1位はスティーブ・ジョブス死亡、2位が次世代高速通信仕様であるLTEの時代到来、3位がスマートフォン加入者2000万人突破(人口の4割)、4位はサムスンとアップルの訴訟、5位がソーシャルコマース市場の急成長であった。2011年末にはサムスン、LG、パンテックからLTE搭載スマートフォンが出そろい、2012年から本格的な競争が始まると予想されているだけに、LTEは当分重要なキーワードになりそうだ。


 韓国では日本のグーグルやMSN、Biglobeなどネットサービスの検索キーワードランキングもいろいろな媒体で紹介されている。東方神起や少女時代、KARAといったKPOPアイドルの名前が日本の検索キーワードランキングに入っていることがTwitterやブログなどで話題になった。韓国人が好きなアイドルが日本でも人気を集めていることが嬉しくもあり不思議でもあるといった反応だった。


趙 章恩=ITジャーナリスト)

日経パソコン
 [2012年1月5日]

 
-Original column

http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20120104/1040054/

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