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日本の経済産業省は、2019年7月4日に半導体材料3品目、「フッ化ポリイミド」「レジスト」「エッチングガス(高純度フッ化水素)」の対韓国輸出管理の厳格化を始めて以来、初めてとなる輸出許可を2019年8月8日に出した。これは韓国サムスン電子(Samsung Electronics)に輸出するEUVレジストで、韓国にはまだ輸送されていないという(2019年8月16日時点)。
制限を潜り抜けて取り引き続ける日本企業
2019年8月8日付の日本経済新聞電子版での報道(「対韓輸出、一部許可も安定輸出は見通せず」)のように、対韓輸出管理の強化が始まってから、日本の半導体材料企業も市場シェアを落とさないため、中国やベルギー、韓国にある生産拠点を利用して韓国企業へ納品を続ける計画を立てている。
韓国の新聞「マネートゥデイ」は2019年8月12日、日本の半導体材料企業がサムスン電子の役員らに「我々が(日本)政府を説得するので取引を続けてほしい」と依頼したと報道した1)。同紙は業界関係者の声として、「(日本の半導体材料企業が)世界最高レベルの技術力を持っているとしても、サムスン電子のような大口取引先がない限り世界市場で淘汰される懸念がある」、「サムスン電子が材料の輸入先を多角化し始めたのを見て、最大の顧客をなくすわけにはいかないと動き始めたようだと」と解説した。
韓国では、サムスン電子が不確実性を減らすため、日本からは一切半導体材料を輸入しない方針で動いているという報道が相次いでいた。現実には、サムスン電子も選択の幅は広い方が有利であり、日本企業を排除するということはあり得ないだろう。実際、サムスン電子と韓国SKハイニックス(SK hynix)は韓国メディアの「脱日本」報道を否定している。
証券業界では、日本の対韓輸出管理が始まって1カ月が過ぎ、韓国半導体業界は落ち着きを取り戻しており、着々と日本に代わる輸入先を見つけ、国産化の準備をしながら日本依存度を減らし続けていると評価した。半導体供給過剰によって2019年5~6月に下落していたサムスン電子とSKハイニックスの株価は上がり続けており、「半導体株を買うなら今」という説も聞こえる。
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
《日経Robo》
2019. 8.
-Original column