平昌五輪で活躍したドローン、ショーや警備・聖火リレーにも登場

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  振り返ると平昌五輪の開会式といえば人面鳥、ではなく1218台のドローンが作った五輪マークだった。開会式は毎回、五輪マークをどれだけ斬新な方法で登場させるかが成功の決め手と言われてきた。

 開会式では、地域住民1000人がLEDで平和を象徴する鳩を作った後、白い風船を飛ばした。白い風船は1218台のドローンに変わり、スノーボーダーの形を作った。その後、五輪マークを作った。五輪公式スポンサーであるインテルのドローンショーだ。

添付画像
開会式でのドローンショー
(出所:インテル)
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 ただし、これは現場で行ったパフォーマンスではなく、事前に録画した映像である。開会式場が狭く、風も強かったため、墜落する危険があったからだ。インテルによるとNGはなく、五輪マークは一発で成功したという。ギネス世界記録登載を狙い、ギネスの担当者も撮影現場で見守った。

 韓国で話題になったのは、1218台のドローンを1台のパソコンと一人の操縦士が操作したことである。インテルによると、ドローンをコントロールする自動化プログラムがあるので、ドローンの数は1万台に増えても問題なく操作できるという。

ドローンに期待する韓国

 韓国では農作業や国有地の山林管理、災害予防など、幅広くドローンを使っている。国土交通部(部は省)の統計によると、届け出られた商業用ドローンは2013年の193台から2017年は3735台へと増えている。国土交通部は韓国内ドローン市場規模を2017年の700億ウォン規模から2027年は2兆5000億ウォンに拡大させる目標を掲げるほど、ドローン産業に期待している。

 韓国にはドローン操縦資格試験もあり、地方大学にはドローン学科までできたほどだ。ドローン操縦資格取得者数は2013年の52人から2017年は3736人に増加した。雨後のタケノコのように増えたドローン塾では、ドローン操縦資格さえあれば、農村で仕事がもらえ年俸1億ウォンも夢ではないと宣伝している。

 しかしインテルのドローンショーの技術からすると、ドローンの使用用途に合わせた操縦プログラムさえあればいいので、特別な操縦資格はもういらないかもしれない。それよりも、人が関与しなくてもドローンを操縦できる人工知能のアルゴリズムを考えられる専門家を育てる必要があるだろう。また韓国メディアは、インテルのドローンショーのようにドローンを使って美しい演出ができる芸術家を育てる必要があると強調していた。

五輪の警備でもドローンが活躍

 ドローンは開会式のショーだけでなく、五輪の警備にも使われている。韓国軍と駐韓米軍が協力してドローンで五輪競技場を航空偵察し、映像をセキュリティ管制センターに送信するものだ。警備やテロ防止に役立てており、HD映像のカメラや熱感知カメラを搭載したドローンが平昌を訪問した外国首脳の警護にも使われていた。

 聖火リレーでも5Gネットワークで制御するドローンが登場し、短い距離だが聖火を運ぶパフォーマンスを行った。聖火リレーでは人が乗って操縦する大型ロボットも走者として参加した。

添付画像
聖火リレーに登場したドローン
(出所:KT)
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章恩(ITジャナリスト)

 

NIKKEI X TECH

2018.2.

 

-Original column

http://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/column/18/00167/022100003/

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