政府機関で活用広がる公務員ロボット、民間では「ロボットフレンドリー」なビルが増加

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2024年6月26日、韓国では「公務員ロボットが階段から墜落、仕事のストレスのせいか」「公務員ロボットが飛び降り、まじめでいいロボットだったのになぜ」というニュースが話題になった。自治体の亀尾(クミ)市庁で働いていたロボットが階段から転げ落ち、深刻なダメージを負って作動しなくなる事故があったのだ(図1)。

図1 亀尾市庁の公務員ロボット

図1 亀尾市庁の公務員ロボット

市庁内を移動して書類や郵便物を運んでいた。窓口周辺で市のニュースを宣伝する業務も担当したという。2024年6月、自ら階段から転げ落ちるという事故が発生し、大きな話題となった。(写真:亀尾市庁)

 目撃者によると、いつもエレベータを使って決まった経路を移動するようにプログラミングされているロボットが、なぜか2階の階段前でぐるぐる回った後、階段に向けて突進したという。韓国ではちょうど、激務と窓口業務のストレスに耐えられずに辞めていく若手公務員が急増し、公務員の待遇を見直すべきだという世論が沸き起こっていた。「ロボットも公務員は嫌だったのかもしれない」と主なメディアが一斉に報道したことで話題になった。

 亀尾市庁によると、公務員ロボットはメーカーが回収し、原因を調査する予定だという。ロボットのメーカーは米国シリコンバレーのBear Robotics。亀尾市庁は、Bear Roboticsがロボットを亀尾市で生産していることから選定したという。レンタル料は月200万ウォンで、「給料200万ウォンの公務員ロボット」とも呼ばれていた。日本ではソフトバンクロボティクスがBear Robotics製の配膳・運搬ロボットを販売している。

 公務員ロボットは2023年8月、亀尾市庁がAI行政をサポートするため導入した。公務員証を首にかけ、午前9時から午後6時まで市庁の1階から4階までを移動しながら書類や郵便物を運んでいた。本体のディスプレーを使い、1階の窓口周辺で市のニュースを宣伝する業務も担当する。亀尾市ではロボット主務管(韓国の公務員の役職の一つ)として親しまれていた。

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趙 章恩=(ITジャーナリスト)  

《日経Robo》 2024. 7.  

-Original column 

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