[日本と韓国の交差点] 中国全人代で韓国ドラマが大きな話題に

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 米ワシントンポストが3月7日、韓国ドラマの主人公らの写真を1面で掲載した。記事のタイトルは「Could a Korean soap opera be China‘s guiding light」(オンライン版のタイルは「Chinese officials debate why China can’t make a soap opera as good as South Korea’s」)。韓国ドラマ「星から来たあなた(My Love from the Star、来自星星的你)」が中国で大ヒットし、社会現象になっていることを報じた。

 ドラマ「星から来たあなた」は、韓国の民放SBSが2013年12月から2014年2月末にかけて放映した番組。400年前に韓国にやってきた、時間を止める超能力を持つハンサム宇宙人男性と、自由奔放なトップ女優が繰り広げるラブコメディーである。韓国でも大ヒットし、平均視聴率24%を記録した。

 ワシントンポストは、次のように報じた。
「中国は33人が死亡、143人が負傷した昆明駅テロ事件や政府官僚の腐敗、経済成長鈍化といった問題に直面している。それにもかかわらず、中国の2大政治会議の参加者の口から出たイシューは、嵐のように国をさらった韓国ドラマのことだった」
「主人公が『(雪が降る日は)ビールにフライドチキンが食べたくなる』と話しただけで、中国のネットで最もつぶやかれる言葉がビールとフライドチキンになった。レストランではビールとフライドチキンを売り始めた」
「中国共産党指導者のトップ7の1人である王岐山(ワン・チーシャン)も、今週のこの議論(ドラマ「星から来たあなた」が中国で大ヒットしていること)に加わった」

 中国で「星から来たあなた」の人気が高まっていることを韓国メディアもこぞって報じている。韓国メディアだけが大げさに報じているのかと思ったら、ワシントンポストまで取り上げたので驚いた。

ドラマの人気が韓国製品に波及

 中国人は「星から来たあなた」に登場する韓国製品に強い興味を示しているという。特に食べ物が人気で、インスタントラーメンを食べるシーンが登場すると、その翌日には韓国メーカーのインスタントラーメンがどっと売れるらしい。日本のスーパーでよくみかける「辛ラーメン」は中国にも進出している。1~2月の間、インスタントラーメンだけで3000万ドルの売り上げを記録したという。

 中国に150店舗以上展開している韓国のフライドチキンレストラン「BBQ」では、ビールとフライドチキンのセットメニューの売上高がドラマ放映後50%増えたと伝えられる。「星から来たあなた」の主人公がモデルを務める韓国のベーカリーブランド「トゥレジュール」の中国内店舗でも、売上高が40%増えたらしい。

 韓国への旅行も空前の大ブームだそうだ。上海空港出入国管理部門の統計によると、上海空港から韓国に向かう中国人旅行客の数は、12月は1日平均1400人、2月は1日平均1800人で、前年同月比約50%増加した。





2014年3月10日

趙 章恩=(ITジャーナリスト)

日経パソコン
 

-Original column

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