[日本と韓国の交差点] 仁川空港の民営化を巡り政府と労働組合が対立

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日本から韓国の首都ソウルに行く場合、金浦空港か仁川空港を利用することになる。金浦空港はソウル市内に、仁川空港はソウル市内から車で1時間30分ほど離れた仁川市の島にある。東京の羽田空港と成田空港の関係と同じだ。

 金浦空港は住宅街に囲まれているため、これ以上空港面積を拡大することが難しい。そのため、国土海洋部が2001年3月に、大型国際空港として仁川空港を開港した。仁川空港は島にあるため空港設備の拡張が容易。24時間、いつでも離着陸できる。今でも滑走路や旅客ターミナルを増設中で、2017年まで工事が続く。


 仁川空港の運営は国営企業である仁川国際空港公社が担当している。仁川国際空港公社によると、世界の67の航空会社が乗り入れ、173都市に就航している。仁川空港から3時間30分以内に到着できる人口100万人以上の都市は60ある。


 開港以来2012年2月まで、仁川空港を離着陸した飛行機は200万機を超える。この間、一度も事故がなかった。仁川空港の1日の平均離着陸回数は653回(2012年)。2011年の年間利用者数は3506万人に上り、成田空港の年間利用者数2806万人より多い。2010年12月には仁川空港からソウル駅まで43分で行ける空港鉄道直通列車が開通し、アクセスも便利になった。


 仁川空港は、「空港サービス満足度」で2006年から7年連続で1位に選ばれている。これは国際空港協議会(ACI, Airports Council International)が世界1700の空港を対象に順位を付けるもの。


 筆者は、東京に行く際には主に金浦空港を利用する。その他の国や大阪、福岡など東京以外の都市に行く際には仁川空港を利用する。利用者の立場から見て、仁川空港の良いところは、チェックインや手荷物検査など手続きが速いことだ。買い物できる場所がたくさんあり、24時間営業であることも有り難い。免税店以外に、コンビニ、ファーストフード、食堂、デパートまである。空港内の両替もレートが悪くない。


 誰でも無料で使える広々としたネットカフェがある。空港内で寝られるよう、丸いソファーベッドが置いてあるスペースもある。世界のバックパッカーが野宿しやすい空港を選ぶ「Golden Pillow Award」で、仁川空港は2008年「Golden Pillow Award」に、2011年にはベスト空港に選ばれた。



成田空港は使い勝手が悪い



 成田空港の場合、第2ターミナルにはコンビニや小さい売店が2~3軒あるだけ。それも24時間営業ではなく21時には閉まってしまう。食事のでない格安航空を利用してお腹を空かせて到着した時、食堂に入るよりコンビニで何か買ってすぐ移動したいものだ。だが、成田空港は仁川空港に比べて選択肢が少なすぎる。


 成田空港は夜を過ごすことも難しい。早朝便を利用するため成田空港に泊まった経験を書いたブログをいくつか見つけた。夜になると警備員が来て、名前とパスポートを確認する。空港で朝を待つ人を1カ所にまとめて警備員が見張る、ということがブログに書いてあって驚いた。成田空港は24時間営業ではないようだ。



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By 趙 章恩

2012年8月8




-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120803/235303/

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