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北朝鮮が12月12日、長距離弾道ミサイルと見られる人工衛星のロケットを発射した。北朝鮮は朝鮮中央放送を通じて「人工衛星クァンミョンソン3号の打ち上げに成功した」と発表した。
韓国の最大手新聞である朝鮮日報は、12月12日の朝刊で、政府関係者の以下の発言を報道していた。「北朝鮮はミサイルを発射台から降ろして1・2・3段のロケットを全て分解した。年内には発射しないだろう」。その他の新聞も同様に、12月11日時点で、北朝鮮のミサイル発射は中止になったと報道していた。
北朝鮮のミサイル発射は、韓国の株価やウォンの為替レートに大きな影響を与えてはいない。だが、韓国政府が北朝鮮の動きを把握していない状況に、市民は不安を持っている。「北朝鮮のミサイル発射を米国と日本は知っていたが、韓国は知らなかった」という産経新聞の報道が韓国でも報じられた。この記事に対するコメント欄に、李明博大統領の危機管理体制を非難する書き込みが殺到した。
キム・グァンジン国防部(部は日本の省)長官は12日に記者会見を開き、「韓国政府だけが北朝鮮のミサイル発射を知らなかったわけではない。11日午後3時には北朝鮮がミサイル発射体を発射台に装着していることを確認し、大統領に報告した」と話した。また、「北朝鮮は今後、核実験をする可能性もある。過去において、長距離ミサイル発射3か月後と50日後に2回にわたって核実験をしている。今回も同様の意図を持っていると見ている」「具体的な内容は明かせないが、北朝鮮の核実験を止めるため国連に提訴する」とも語った。
朴候補「ミサイル発射は世界に対する挑発」
大統領選挙候補である、与党セヌリ党の朴槿恵(パク・グンヘ)氏と野党民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏は12日、街角演説で北朝鮮のミサイル発射を強く非難した。
朴候補は「北朝鮮のミサイル発射は韓国に対する挑発であるだけでなく、世界に対する挑発でもある。挑発では何も得られないことを北朝鮮に確実に教えてあげるべきだ」と厳しい姿勢を見せた。朴候補は「韓国は2006年に太陽政策を取り、北朝鮮に無条件で援助した。それでも北朝鮮は核実験を行った」と故盧武鉉元大統領の流れをくむ文候補側を非難した。「援助なしで維持できない平和は偽物である。私は韓国に本物の平和をもたらす。北朝鮮が挑発したらその分対価を支払うことになることを教えるために、強力な抑止力が必要だ」と主張した。
朴候補は選挙公約に、韓米同盟を含む防衛力強化によって北朝鮮を抑止することを掲げる。国家安保室と南北交流協力事務所を新設して、北朝鮮と経済共同体を先に作る。その後、政治統合を徐々に進め、最終的な統一に導くというロードマップを提示した。
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By 趙 章恩
2012年12月14
-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121214/241006/