[日本と韓国の交差点] 日本の格安航空が次々に韓国就航、いよいよ日韓の「格安」競争へ

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韓国の交通政策を担当する国土海洋部は7月25日、国際線航空旅客が2012年上半期に、史上初めて2000万人を超えたと発表した。2012年通年の旅客数は、4500万人を突破し記録を更新すると予測している。

 国際線航空旅客は、韓国の空港から外国の空港に周航する国際線を利用する旅客の数である。この統計には外国人も含まれる。2012年の上半期は2287万人に達した。前回のコラム「韓国夏休み事情:3泊4日がせいぜい」でも紹介したように、韓国は不景気であるにもかかわらず、海外に向かう人の数は記録を毎年更新している。国土海洋部は、1)格安航空会社が参入し国際便が増えたことで、韓国人の出国者数が増えたこと、2)韓流やKPOPがブームとなり、韓国を訪れる外国人観光客が増えことが背景にあると分析した。


 国際線旅客分担率は韓国の航空会社が66.7%、外国の航空会社が33.3%だった。2287万人の中で、格安航空会社の利用客は154万人、旅客分担率は6.8%だった。前年同期比3.2ポイント上昇している。


 国内旅行も旅客数が増えた。旅客数は前年同期比9.1%増の1096万人で、史上最多となった。国内線市場では格安航空がすっかり定着している。国内線の格安航空旅客分担率は41.4%だった。2008年の9.7%に比べ4倍に伸びた。済州空港を利用した旅客の43.1%が格安航空を利用している。ソウル=済州路線の場合、旅客の56%が格安航空会社を選んだ。



大韓航空機なら1万円、Jeju航空なら2000円



 韓国の格安航空はJeju航空、JINAIR(大韓航空の子会社)、AIR釜山(アシアナ航空の子会社)、イースター航空、TWAY航空の5社である。韓国で初めて格安航空として定期航空運送事業免許を取得したのはJeju航空である。2005年1月に法人設立、2006年6月からソウル金浦空港=済州空港の運航を始めた。


 Jeju航空の旅客機は大韓航空やアシアナ航空に比べて機体が小さい。新聞・雑誌は出さない。その代わり料金は大手航空会社より20%ほど安い。大韓航空とアシアナ航空のソウル=済州間(片道・平日料金)が7万3400ウォン(約5140円)のところ、Jeju航空は5万8800ウォン(約4120円)である。


 さらに、Jeju航空はアーリーバード料金を導入した。2ヶ月前に航空券を購入すると、正規料金から70~80%の割り引きが受けられる。早めに購入すればソウルから済州まで往復で2000円もしない、タクシーで近所に出かけるぐらいの料金で飛行機に乗れる。このため、土曜の早朝便で済州に行って海を満喫し、日曜の夜にソウルに戻る1泊2日旅行が大ブームになっている。


 週末になるとソウル金浦空港から済州行きの便が5分おきに飛ぶ。それでも空席がないほどである。済州発展研究院の調査によると、2003年から2005年の間、済州を訪れる国内観光客の数は毎年1%程度ずつしか増えていなかった。それが、Jeju航空が就航した後、2006年から2011年かけては、年平均8.5%ずつ増えている。済州道庁の調べでは、済州の国内観光客は2012年上半期に423万人(前年同期比18万人増)に上った。



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