[日本と韓国の交差点] 韓国の観光産業は中国人依存

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先日、日本のポータルサイトでニュースを読んでいて驚いた。海外から日本を訪問した外国人観光客数が、2013年に史上初めて1000万人を突破しそうだという記事があったからだ。とっくに年間1000万人を超えていると思っていた。日本には東京ディスニーランドや京都など観光名所が多くある。レベルの高いおもてなしも提供している。

 日本政府が進める「外国人観光客年間1000万人誘致」目標に関する報道は、外国人観光客が増えた要因として共通して以下を挙げている――円安と格安航空会社の日本路線増加、東南アジアに対して観光ビザの発給要件緩和。

 確かに円安と格安航空会社の影響を強く感じる。格安航空会社の早期予約割引を利用すれば、ソウル・東京の往復チケットを2万円前後で購入できるようになった。飛行時間は1時間40分程度で時差もないので、国内旅行と変わらないほど気軽に日本に行くことができる。日帰りだって可能だ。

 韓国のあるバラエティー番組は、うどんを食べるためだけに東京へ、ラーメンを食べるためだけに札幌へ日帰り旅行に行く韓国のお金持ちを紹介していた。円安なので、食べ物については、韓国より日本の方が安く感じられる時もある。牛丼280円なんて韓国では想像もできない安さだ。

 日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客数」統計によると、2013年1~10月までに日本を訪問した外国人観光客は全体で約866万人。中国人観光客は減少したものの、アジアからの観光客が総じて大きく伸びたことがこれを補い、日本を訪問した外国人観光客数は前年比23.4%増えた(関連情報)。

 内訳を見ると、日本を訪問する外国人観光客数の1位は韓国だった。約866万人のうち約210万人を占めた。2位は台湾からの観光客で約188万人、3位は中国人観光客で約112万人だった。

市民ボランティアが観光客をお手伝い

 日本政府観光局(JNTO)が公開している外国人観光客数が多い国ランキング(2012年)を見ると、日本は835万8000人で33位、韓国は1114万人で23位だった。日本を訪れる外国人観光客数より、韓国を訪れる外国人観光客数の方が多いことにまた驚いた。韓国統計庁のデータを見ると、韓国を訪問する外国人観光客は2013年も1100万人を超える見込みだ。

 外国人観光客を増やすため、韓国政府はかなりの予算を注ぎ込んできた。文化体育観光部(部は省)は毎年、外国人観光客と海外の旅行代理店を対象にアンケート調査を実施し、韓国旅行の不満を改善してきた。

 韓国では2011年、外国人観光客が増えたのにホテルの数が追い付かず問題になったことがある。例えばテレビのニュース番組がこんな報道をした。ある中国人団体ツアー客がソウルを訪れた。しかしソウル市内のホテルが満室で取れなかったことから、ソウル郊外のホテルに宿泊。毎日バスで片道1時間以上かけてソウル観光に出かけた。このままでは外国人観光客が韓国に来たくても来られないと指摘した。

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