4月は韓国でも花見のシーズンである。まだ寒い日が続いていて、桜のない桜祭りが全国各地で開催されている。4月中旬に満開になりそうだ。日本で花見を楽しんだ後、もう一度韓国で花見をすると、とっても得した気分になる。
4月は、結婚シーズンでもある。桜の開花と共に、結婚式の招待状がやってくる。筆者の元には、親戚や知人の結婚案内が続々と届いている。4~5月は毎週末が結婚式で、ご祝儀の出費を考えると手が震える。でも、お祝儀をもらった人はそれを忘れず、私に何かあった時にまたお祝いをしてくれるので、一種の貯金だと思えば少しは気が楽になる。
日本人は結婚をしたがらない、特に男性が結婚をしたがらないという話をよく耳にする。韓国でも晩婚、もしくは「非婚」が増えている。日本では今の生活に満足しているから結婚したくない、という人が多いようだが、韓国で非婚が増えているのは、経済的な理由が大きい。
結婚するにはお金がかかる
経済的にものすごい負担がかかる韓国の結婚事情をルポした面白い記事を見つけた。
3月16~31日にかけて朝鮮日報が「親の涙で挙げるウェディング」という見出しの特集記事を掲載した。大切に育てた子供が結婚するので、さびしくて涙を流すのではない。親の全財産をはたいても結婚費用が足りず、多額の借金を背負うことになる。お先真っ暗で、悲しくて涙が出るという内容だった。
韓国の結婚式はまだまだ「派手婚」が主流だ。よほどの貧乏か、再婚、再再婚でもない限り、入籍だけで済ませる――なんてことはあり得ない。朝鮮日報は前出の特集で、「日本の芸能人は一流であるほど地味婚で入籍だけで済ませる」、これに対して「韓国の芸能人は派手婚がエスカレートしている」と皮肉っている。ウェディング関連の企業が「協賛」してくれる――つまり、ただ――という背景がある。
10年ほど前まで、結婚式は「結婚式場」――大型レストランがある会館――で挙げるのが一般的だった。新郎新婦入場、仲人のあいさつ、記念撮影、と全部合わせて15分ぐらいで終了。追い出されるようにレストランへ移動し、飲んで食べての大騒ぎというのが定番だった。ソウルで結婚式をする場合、貸し切りバスを何台もレンタルして故郷から親戚を呼ぶ。バスの中から宴会が始まる。結婚式に出席したものの新郎新婦の顔が思い出せない…こんなことがよくあった。
それが少子化によって、ホテル挙式が人気を集めるようになった。うちの子供は特別な結婚式を!という親の願いなのだろうか。じっくり時間をかけて新郎新婦の写真を紹介。結婚までのエピソードを語る。友達が歌いスピーチをする。こうした、日本の結婚式のようなものが流行り始めた。前出の朝鮮日報の記事によると、ホテル挙式は、お客さんを1000人招待した場合で、1億5000万~2億ウォン(約1150万~1500万円)ほどの費用がかかるという。
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By 趙 章恩
2021年4月4
-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20120403/230506/