[日本と韓国の交差点] Youtubeでの再生回数がわずか2カ月で約3億回~韓国歌手PSYの「Gangnam Style」

.
YoutubeとTwitterに乗って、韓国の歌手が欧米で大ヒットしている。

 PSY(サイ)が2012年7月15日Youtubeに公開した新曲ミュージックビデオ「Gangnam Style」が、公開後52日(9月4日)で再生回数1億(オフィシャルミュージックビデオの再生件数)を突破した。9月30日時点では3億2400万回を突破した。


 歌詞のオパヌンGangnam Styleを直訳すると「お兄さんはGangnam Style」となる。オッパは本来、女性が兄を呼ぶ時に使う呼称。だが、彼氏や親しい先輩など幅広い対象に対して使う。韓国の男性は年をとってもアジョシ(おじさん)ではなくオッパと呼ばれたい願望があるようで、オッパと自称するおじさんが多い。


 この曲も、「私はGangnam Style」ではなく、「オッパはGangnam Style」とオッパを自称している。Gangnamは江南、漢江の南側にある高級マンション街のこと。高級ブランド店が集まるショッピング街でもあり、クラブやバーが多い歓楽街でもある。Gangnam Styleは、トレンディーで上品なイメージと、バブリーで成金趣味の両方の意味を持つ。


 韓国のマスコミの報道を見ると、レディー・ガガの「Poker Face」は再生件数が1億3000万回を突破するのに約3年かかった。Youtubeでの活動をきっかけに大手レコード会社からオファーを受けてスターになったジャスティン・ビーバーの「Boyfriend」も再生件数が1億を突破するまで3カ月ほどかかったそうだ。PSYのGangnam Style が2カ月ほどで3億回に達したのは、すごいスピードであることがわかる。


 ギネスワールドレコードは9月20日、PSYのGangnam Styleを「Youtube史上、最も『いいね』件数の多いビデオ」としてギネスブックに掲載した。2012年9月30日時点で「いいね」は315万8368件を突破した。


 10月1日時点でGangnam Styleは、iTunes北米ミュージックビデオダウンロードチャート1位、ビルボードHOT100 2位、英シングルチャート(The Official Charts Company)1位を記録している。どれも韓国歌手が韓国語で歌った曲として初めての記録である。アメリカやイギリスに住む韓国人らは、連日ブログとTwitterで「PSYのGangnam Styleの人気に驚いた!信じられないほどすごいことになっている!」と書き残している。


 朝日新聞もPSYの活躍ぶりを 9月24日付けの紹介している。「ぽっちゃり35歳 韓流歌手PSY、世界で大ブレーク」という見出しがついた(関連記事)。



幼稚園児もお遊戯そっちのけで馬ダンス



 「Gangnam Style」はPSYがスーツにオールバッグのヘアースタイルで、江南地域のあちこちを背景に、コミカルな「マルチュム(馬ダンス)」を無表情で踊るというもの。PSYはこのミュージックビデオを韓国向けに制作したというが、なぜかこれが欧米のユーモアコードにぴったりなのだとか。韓国でも「小太りなPSYが馬ダンスを踊るから笑える」「かっこいい人が踊ったら面白くもなんともなかっただろう」と言われている。PSYは他のKPOPスターのようにむきむき筋肉マンにならず、ぽっちゃり体型を維持してきてよかったのかもしれない。



ここから先は「日経ビジネスオンライン」の会員の方(登録は無料)、「日経ビジネス購読者限定サービス」の会員の方のみ、ご利用いただけます。ご登録のうえ、「ログイン」状態にしてご利用ください。登録(無料)やログインの方法は次ページをご覧ください。






By 趙 章恩

2012年10月3




-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20121002/237508/

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *