【第二十回】
『太王四神記』はまだまだこれからです!
我らのペハ、ヨン様が突然ニューヨークから帰国されて、手術を受けたというニュースを聞いて心配された方も多いのではないでしょうか? ヨン様の手術は無事終わり、今は自宅で休養しながら次回作の『神の雫』に関してあれこれ構想を練っているとのことです。8月27日には、同じBOFに所属しているソ・ジソプさんの除隊後初めての主演映画の試写会に出席されました。右腕をギプスで固定した姿は痛々しかったですが、いつもの笑顔で手を振ってくださって、その場にいた家族(ファン)みんなが感激! お誕生日の8月29日には、毎年恒例のプレゼントが全世界から! ソウルにあるオフィスまで訪ね、プレゼントを託して帰る海外ファンもあとを絶たないということです。
『神の雫』のドラマ化ですが、ソムリエ顔負けのワイン通であるヨン様だけに、原作を超えるものになるのではないでしょうか。私は胸をときめかせながら撮影開始を待っています。黒いスーツにメガネ、フランスのお城でワインを楽しむヨン様の姿を思い浮かべてみてください。それだけでゾクゾクしませんか? プレミアムイベントでのあの姿や、以前のロッテ免税店のカレンダーの姿がオーバーラップして、超期待してしまいます。
でも、まだまだ『太王四神記』を忘れてはなりませんよ。ヨン様が手術するほどまでに苦労し、全力を注いだ作品なんですから。時間をかけて満喫しないともったいない! ワインは、同じものでも栓を抜く時期によって味が違ってくるといいますが、『太王四神記』も観るたびに違う感動が味わえる、深い作品なのです。
韓国では、「『太王四神記』は韓国の歴史を背景にした超大型ファンタジードラマなので、背景について知識のない外国の視聴者には難しすぎるのではないか? 韓国人ですらついていくのが大変なのに、日本の視聴者に受け入れてもらえるのだろうか?」と心配をする声もありました。
でも、そんな予想は外れてしまいました。日本から韓国の放送局のサイトにアクセスして、『太王四神記』のVODを利用する人も多いとのこと。テレビで観て、そしてヨン様の生の声を聞くためにVODでもう一度観て、さらにDVDも観て、ついでに歴史も勉強して……。ツヤツヤの長い髪に澄んだ目をしたタムドクの姿を脳裏に焼き付けて、いつも心の片隅に『太王四神記』を置いて忘れない……そんな状態がいいんですよね。タムドクと『太王四神記』を思い出して、泣いたりクスっと微笑んだり、「ヨン様はこの場面を撮影する時、どんな気持ちだったんだろう?」なんて想像してみたり、この次はどうなるのだろうかとストーリーを予想してみたり……。そういう時間も、家族としては幸せなんですよね。そのためにニッコリアでも、こんなページを設けているのです。難しい、ついていけない、と思ったら即、ニッコリアに駆け込んでくださいね!
息子を想い自害したヨン・ガリョ
さて、前回は20話までのストーリーをご紹介しました。あと残り4話という段階になっても、まったく先が読めない展開となっています。タムドクはヨン・ホゲを助けるため契丹へ向かい、彼が虐殺して歩いた村の事態を収拾します。ヨン・ホゲはタムドクが自分を反乱軍扱いし、契丹と一緒に自分を倒そうとしていると誤解します。
ホゲの父であるヨン・ガリョは、タムドクこそがチュシンの王であることを証明するいくつもの証拠を目にしてきました。それでもやはり、自分の息子であるホゲが王であることを信じたい気持ちを捨て切れません。ヨン・ガリョは天がすべてを決めるなら、人間は何のために努力をするのだろうか、天が最初からチュシンの王を決めたというなら、その根拠と基準はどこにあるのだと嘆きます。天から見放されたホゲに神物は使えないが、それでも渡してあげたい。必死になって神物を探している息子の助けになってあげたいと願います。
もはや子を思う父でしかないヨン・ガリョは、タムドクから預かっていた朱雀と青龍の神物をホゲに伝えるようキハに渡します。タムドクに神物がないということは、タムドクも天の力を使えないということ。天に選ばれるのではなく、この地の人々に選ばれる王になってほしい、選ばれるのはホゲであってほしいという思いを込めて……。高句麗の10の城を守る秘策と、もっとも大事な造船所の管理事項、干ばつ対策に関する自分の知識をまとめたものを国内城の部下たちに残したヨン・ガリョは、チュシンの王をこの手で作りあげようとした今までのことを後悔しているかのような言葉を残し、毒薬を飲みます。
さて、チョロはスジニを見つけ出しますが、スジニは「王様のもとには帰れない。私には私のやるべきことがある」と強く言い放ちます。その時のチョロの顔……言いたいことはいっぱいあるけれど、すべて飲み込み、ただスジニを見つめるしかないチョロ。悔しそうでもあり、悲しそうでもあるあの顔が忘れられません。ハンサムな新人俳優イ・フィリップではなく、スジニを愛しながらもタムドクのために、そして大義のために一歩前に踏み出せないチョロがそこにいました。
契丹の4部族のカーン(王)達に会えるところまでこぎつけたタムドクは、7人だけ部下を連れてきてもよいという提案を受け、兵士達を所定の場所に待たせて記録係のヒョンドンを連れて行くことにしました。フッケは「身を守るために刀が使えるヤツを連れて行くべきなのに、なんで記録係なんだ」と文句を言いますが、タムドクは「1度ならうっかり間違えたと言えるけど、2度目は罪になりますよ」というスジニの言葉を思い出し、間違った歴史を繰り返さないためにも、すべてを記録しておこうと考えたのです。
ヨン・ホゲに人々を虐殺された恨みで、高句麗の名前を聞くだけで歯軋りするほどピリピリしている契丹の4部族のカーンを相手に、タムドクは堂々と「高句麗の弟になれ」と提案します。「ヨン・ホゲ軍は王の命令に逆らった反乱軍であり、高句麗軍のごくわずかに過ぎない。高句麗の全兵士を連れてきたら、どんなことになるか見てみたいのか」と嘘も交えて。そして「高句麗の弟になれば、ほかの部族からも守ってやるし、どんな部族も利用できる高句麗の貿易市場を建ててやる。契丹のこの貧しい土地に市場があれば、部族民が飢えることはない。国内城から西域までの道を作り、その道が契丹の真ん中を通るようにしてやる」と提案します。
カーンもそう簡単にはいきません。「ヨン・ホゲを倒すために契丹の力がいるんだったら、素直に頼んだらどうだ」とすごみ、一斉に矢を構えます。タムドクは少しも怖気づくことなく「私の兵士に君達の助けはいらない。高句麗は約束を守るのに、契丹はこんなものなのか」と嘲弄すると、契丹のカーンのひとりアティラは、「証拠がほしい。ヨン・ホゲの首を持ってくれば兄弟になろうではないか」と言います。
地獄の道を進むヨン・ホゲ
タムドクがこうしている間、外でも作戦が行なわれていました。刀を振り回すだけが戦じゃないというわけで、いつもヒョンゴの周りをウロウロしていた市場のおじさんが、タコにビラをしばりつけてはヨン・ホゲ軍のいる方向へ飛ばしていました。「3日以内に戻ってきた兵士は、即、太王軍として認めるが、そうでない場合は反乱軍となる」。白虎の神物を見つけるため北へ北へと移動して、もう半年。身も心もボロボロで、家に帰りたくて仕方がない兵士達は、「どっちの兵士になったら家に帰れるんだ?」と動揺します……。
動揺する兵士を見たヨン・ホゲは、タムドクは正々堂々と戦わず、また小細工をしていると憤慨します。タムドクとヨン・ホゲは同じ高句麗。いってみればみんな元はタムドクの兵士達です。反乱軍といっても間違いはないホゲ軍がタムドクに立ち向かうには、まず何よりも一致団結してヨン・ホゲのために戦うという意識を持っていなければなりません。ヨン・ホゲは「地獄へ歩いていく」というセリフのとおり、逃げ出そうとした兵士を次々に殺していきます。太王軍へ逃げようとした兵士は、数百人を超えていました。
ヨン・ホゲは、タムドクが自分を挑発させて先に攻撃するよう仕向けていると考えます。ホゲ軍は4万人でタムドク軍は5000人しかいないので、逆に待ち構える作戦を取ります。しかし、ヨン・ホゲは知りませんでした。4日ほどかかる距離にあると思われたタムドク軍は、もうすでに1日ほどの距離まで移動していたことを……。
一方、チュムチに助けられ、タムドクのところへ戻ってくることができたパソンとタルビ。パソンは自分の兄が持っていた白虎の神物をヨン・ホゲに取られたのは自分の責任で、自分の手でヨン・ホゲに差し出したようなものだと自責の念にかられます。パソンは兄が神物を守っていることは知っていましたが、17年間、どこにいるのか知らなかったため、タムドクに教えたくても教えてあげることができなかったのです。ヨン・ホゲに神物を差し出したこの手首を切り落としたいと嘆くパソンに、「その手首は君だけのものではない。勝手に傷つけたら許さないぞ。手首の主人もいたわってやれ」とタムドクらしい慰め方をします。こういう場合、優しさを大げさに表現されるよりも、淡々とした口調で慰めてくれるほうが気が安まりますよね。
タムドクはタルビに、ヨン・ホゲ軍の靴はどうだったかと質問します。戦を始めて半年も経てば、物資も足りなくなり、兵士達は苦労しているに違いないと思ったからです。タルビは靴はボロボロで、布で足を包んでいる者や皮膚病に罹っている者も多く、水不足で困っていたという様子を伝えました。そんな状態では、一刻でも早く兵士達を救わなければなりません。
そんなタムドクのところへ、契丹のカーンであるアティラが、手助けをしたいと2000人の兵士を連れてやってきます。「ヨン・ホゲ軍から逃げてきた兵士には何もしない。ヨン・ホゲへの復讐は自分にさせてくれ」と言うアティラに、タムドクは「反乱軍といってもヨン・ホゲは身分の高い貴族。彼の首を切れるのは高句麗の王しかいない」と念を押します。
またまたそんなタムドクのところへ、ヨン・ガリョが朱雀と青龍の神物をキハに渡して自殺したという知らせが届きます。タムドクは、「自分の父が亡くなったという知らせを聞けば、ホゲは総攻撃をしかけてくるに違いない。両軍が衝突すれば、数の少ないこちらが不利になる。ホゲ軍の内部で反乱が起きて、ひとりでも多くの兵士が投降してくれるのを望む」と考え、早くホゲ軍のいる場所から移動するよう命じます。
そしてこのあとで、チュムチがタルビにもじもじしながら、「帰ってきたら言いたいことを言おうと思っているんだけど~」なんて目も合わせられず近づこうとしていた瞬間、タムドクに邪魔されるシーンがあります。タムドクは、契丹には秘密にしてヨン・ホゲに会いに行きたいので、一緒について来るよう、チュムチに言いました。チュムチは「今までずっと一緒について来たじゃないですか? これからもず~っとついて行きます」、「何をそんなことを今さら。今、ここで邪魔しなくてもいいじゃん!」と、すねたように応えるのですが、これがまたカワイイ!
真相を知ってしまったスジニは!?
一方、ヨン・ホゲのところにはキハが到着しました。キハから薬をもらって、父が自決をしたことを知ったヨン・ホゲ。さらにキハは、追い討ちをかけます。神物を見せながら「自分の子供の父親になってほしい。西の地に行って勢力を増やしましょう」と誘います。キハがタムドクの子供を身ごもったことを知ったヨン・ホゲは、驚き戸惑い、怒り狂います。そして、タムドクへの総攻撃を指示します。しかし、ホゲ軍の兵士達は、どんどん脱営しています。陣営は崩れ、動揺は広がるばかりです。将軍達もヨン・ホゲに背を向け始めます。
この時チョロは、胸騒ぎがしていました。スジニを説得するため街にいたチョロは、タムドクが自分を呼んでいる、隣にいてあげなければという気がしてなりません。チョロは、タムドクとの約束を守りたいから一緒に帰ろうとスジニに何度も頼みますが、スジニは黒朱雀の秘密を話せないまま、どうしても帰れない、来世では王様の女になれるかもしれないと答えるばかりです。
スジニは、自分は見つからなかったことにしてほしいとチョロに頼みます。「私のイムグムニム(王様)をよろしく頼むね。いつもひとりで突っ走るのが好きだから、そんな時は仕方ないなって思って、ついて行ってあげて。お酒もたまには一緒に飲んであげて。それに、1日に1回は必ず笑わせてあげて。私が来世でもこの借りは返すよ。会えて嬉しかった。来世でまた会おう」という言葉を残して、スジニはチョロと別れます。
帰り道、スジニは偶然キハを見かけ、あとを追いかけます。敵を討ってやるつもりでした。ところがキハは、陣痛が始まっていたのです。刀で刺すつもりが、キハが差し伸べた手をつい握ってしまったスジニ。そこに待ってましたとばかりに、火天会の長老が姿を現します。赤ん坊の心臓を抜き取ってこいという命令をサリャンがちゃんと守るかどうか、確認しに来たのです。
スジニはサリャンから、この赤ん坊がヨン・ホゲではなくタムドクの子であること、キハは自分の姉であることを聞かされ、そんなはずはないと否定します。サリャンは「この子を火天会から守れるのは君しかいない。この子を連れて遠くへ逃げてくれ」と訴えます。あまりのショックで、返す言葉を探せないスジニ。火天会の長老は外で心臓を待っている! 赤ん坊はどうなるの! スジニは!
そしてキハが陣痛で苦しんでいた時、不思議とタムドクも痛みを感じ、倒れてしまいます。タムドクの脈は激しくなり、ヒョンゴも不安を感じます。ホゲ軍では内乱が起こり、半分以上の兵士が投降してきました。タムドクは立ち上がります。兵士達がさらに傷つく前に助けなくては……。
タムドクとヨン・ホゲの最後の戦い、そしてタムドクの血を引く赤ん坊の心臓をめぐって火天会とキハの戦いが始まろうとしています。ヨン・ホゲの首を持って来いという契丹の要求に、タムドクはどう応えるのでしょうか? 契丹と手を結ぶのでしょうか? キハの運命は? スジニの運命は? どっちが黒朱雀なの~? あ~もう疑問だらけです。もう最終回まで待てない! 「気になってこのままでは何もできない!!!」と頭をかきむしっている方には、DVDで一気に最終回まで観ることをおすすめしたいです。
ここだけの話、最終回を観てもすっきりしないところはあるんですよね……でも! ちゃんとストーリーが理解できていれば、「そういうことなのね」と、観る人それぞれのファンタジーが広がっていく作品なのです。みなさんも自分だけの『太王四神記』にしてみたいと思いませんか? 「週に1度の放送だけじゃ寂しいわ~」という方は、ぜひニッコリアストアも覗いてみてください。DVDのほかにも、嬉しいオリジナルグッズがいっぱいですよ!
– BY 趙章恩
Original column