第27回:趙さんがお勧めする夏の過ごし方~夏休みもネットで韓ドラ三昧!







第27回
趙さんがお勧めする夏の過ごし方

夏休みもネットで韓ドラ三昧!

2006年8月1日


 いよいよ夏本番。みなさんはいかがお過ごしでしょうか? 今回は番外編として、ネットで今すぐに見られる、夏休みにお勧めな韓国ドラマ3タイトルを紹介します。お楽しみください!

●愛はタイミングも重要–火の鳥







火の鳥
Copyright(C) 2004 MBC, iMBC, All Rights Reserved. / AII「ドラマ韓」(※ 画像はクリックで拡大)
 『火の鳥』(配信:AII)は、故イ・ウンジュの最後のドラマとして、エリックの本格ドラマデビュー作として、韓国ドラマファンの心の奥に残る名作。2004年4月から6月までMBCで放映され、韓国ではドラマ以上にイ・スンチョル(日本ではRuiとしてアルバムを発売)の主題歌も大人気だったが、日本で放映される際には別の主題歌が使われた。

 『火の鳥』の主題は“愛はタイミングも重要だ”ということ。愛していないから別れたのではなく、お互いが愛せる環境でなかったから別れた、ということだ。別れた夫婦が10年後、逆転した立場で出会い、もう一度愛を確認するまでの悲しい物語で、イ・ウンジュの瞳が忘れられない名作なので、ぜひ!ぜひ!観てください。

 あらすじは–4人の男女の愛憎で、大金持ちの母と母の力で社長になった父、そしてわがままな令嬢で何でも自分の思い通りにならないと気がすまないジウン(イ・ウンジュ)は、慣れない運転で外車をガソリンスタンドに突っ込み、店員のセフン(イ・ソジン)と知り合う。22歳の二人は両親の反対にも負けず妊娠をきっかけに結婚する。育った環境がまったく違う二人は、愛だけですべてを乗り越えられると思ったが、現実は厳しかった。セフンと喧嘩し階段で転んだジウンは流産してしまい離婚、セフンは何も言わずアメリカ留学を決める。セフンを追いかけて空港へ車を走らせるジウンと、娘を止めようと追いかける父。信号で止まったジウンの車に近づこうと車から降りた父は交通事故にあい亡くなってしまう。でもその事故は偶然ではなかった!(これは観てのお楽しみ~)

 それから10年後、父を亡くし会社もなくしたジウンの母と妹は、ジウンを憎み、ジウンはヘルパー(お手伝いさん)として家族を養っている。ショックから立ち直れない妹は、夜な夜なクラブを転々とし遊びまくる。妹を探しにクラブへ行ったジウンは、留学時代に知り合いだったジョンミン(エリック)と再会し、ジョンミンはジウンに惹かれ、ジウンも心が傾き始める。ジョンミンはジウンの父が経営したソリングループを乗っ取ったオーナーの息子で、彼はセフンを経営者としてアメリカから呼び寄せる。

 アメリカでウィリアム・チャンと改名して生まれ変わり、貧しい青年から富みも地位も手に入れたセフンは、自分が起こした交通事故で脚が不自由になり車椅子生活を余儀なくされたミランに責任を感じ婚約し、一緒に帰国する。ジウンがヘルパーの仕事をしていることを知ったセフンは、自分の家のヘルパーとしてジウンを雇う。ミランとジウンは昔からの友達だが、セフンにぞっこんなミランは、セフンとジウンの関係を知り嫉妬に狂いどんどん陰湿な女になっていく。でもミランにはとんでもない秘密があった。(これも観てのお楽しみ~)

 運命のいたずらで4人は見事な四角関係になり、忘れられないセフンと自分を包み込んでくれるジョンミンの間で揺れるジウンと、嫉妬に狂うミランの演技対決もポイントが高い。

 ミラン役のジョン・へヨンは、「弁護士達」ではおっとりした女性、コメディドラマ「恋人達」では家ではお風呂にも入らずジャージ一つで何か月も生活するが好きな男性の前では乙女を演じるかわいいキャラクターを演じてきたが、この作品での彼女の燃えるような目や噛み締めるように吐くセリフは鳥肌が立つほど。

 名セリフも多く、特にエリックがイ・ウンジュの「何か焦げる匂いしない?」に「僕の心臓が燃えているのでしょう」とか、「韓国戦争がどうして起きたか知ってる?」に「(すばやく頬にチューして)放心したせいだよ^0^」なんていうセリフは目が眩みそうなほど脂っこいけど、「エリックにしか許されないセリフ」として今でも伝説になっている。


●チョ・インソンの魅力爆発–星を射る







星を射る
(C)SBS,SBSi(※ 画像はクリックで拡大)
 『星を射る』(配信:ShowTime)は、チョ・インソンの魅力爆発!ともいえる作品で、2002年11月から2003年1月までSBSで放映され、主人公らのファッションや主題歌も大ヒットした。主題歌はチャゲ&飛鳥の「On your mark」の韓国語カバーで「In My Dream」というタイトル。チョ・ジャンヒョクが歌っている。

 イ・ソジンはこのドラマにも出演していて、ソラ(チョン・ドヨン)の元彼で裏切り者の悪役を演じている。凛々しいイ・ソジンの卑怯なあの表情は本当に意外!でも似合ってる。

 あらすじは–30歳の誕生日を迎えた無職ソラは、7年も付き合い結婚を約束した兄バダ(パク・サンミョン)の友達で同じく芸能マネージャーのドフン(イ・ソジン)とこっそり釜山でデートする計画を立てる。だが、釜山には映画祭で訪問した監督に自分が抱える俳優イェリン(ホン・ウンヒ)を紹介しようと、バダも来ていた。イェリンはホステスだったところ、深夜の代理運転アルバイトをしていたバダに助けられ、モデルとして活躍するようになっていた。イェリンは可憐な外見とは裏腹に成功のためなら何でもできる女、唯一ドフンだけがそれを知っている。

 釜山のホテルでベルボーイをしていたソンテ(チョ・インソン)は、イェリンに一目惚れ。ソンテは俳優を目指す青年だが、難読症で文字が読めない。でも一度聞いたことは何でも記憶するすごい記憶力でソラ達を助け、バダに誘われソウルにやってくる。

 いつもはどケチなバダだが、ソンテの俳優としての才能を信じ「お前を絶対有名な俳優にしてやる」と契約金を渡す。ドフンはバダにソラと結婚してみんなで一緒に住める家を用意すると嘘をつき、バダが苦労して貯金した全財産と家の保証金を人気俳優のスンウをスカウトする費用に使ってしまう。もう少し待ってくれれば絶対ソラと結婚し、マネージャーとしても成功すると約束するドフンだが、それは鬱陶しいソラとバダを引き離すための嘘にすぎなかった。契約金でソラの家を借りることにしたソンテは、引越したはずのソラとバダがまだ家にいることにビックリしながらも同居することになる。

 ドフンの裏切りに怒ったバダはある夜ドフンを訪ねるが、ドフンに押し倒され頭を強く打ち入院する。これを目撃したイェリンはドフンを脅迫し映画主人公の座を射止める。ソラは兄のためにソンテのマネージャーになり、当然のようにソンテに惹かれる。だがソンテが成功するほどに、イェリンは自分とソンテのスキャンダルをでっちあげて誘惑し、ドフンも脚を引っ張る。結局バダはソンテのためにはもっと大きなマネージメント会社が必要だと、ソンテをドフンの会社に移籍させる。

 ソンテはソラとバダのために復讐を誓う。だがストーリーは出生の秘密へと転がる。

 一言でいえば人生の成功とは愛あってこそ、愛がすべてを救うという陳腐な内容だけど、それを陳腐にさせないのはマネージャーと人気俳優という設定で、芸能界の裏側を描いているからなのかも知れない。好きな人のために何かしてあげたい、その心は必ず伝わるということをソラとソンテは語っている。

 このドラマでチョ・インソンはアドリブなのか台本どおりなのか区別つかないほど、ソンテ=インソン? と思わせる自然な演技をしていて、もしかしてインソンはチョン・ドヨンが好きなのでは? と嫉妬するほど。インソンの茶目っ気たっぷりのかわいい年下彼役のお陰で、年下の彼と付き合うのがいい女の証拠とまでいわれ、今でもその傾向は続いている。

●年下彼ブームの立役者クォン・サンウ–ただいま恋愛中







ただいま恋愛中
(C)SBS,SBSi(※ 画像はクリックで拡大)
 『ただいま恋愛中』(配信:ShowTime
は、元祖年下彼ブームを作ったドラマで、クォン・サンウが、家庭教師だった姉の友達イ・ウジョンにかっこいいところを見せようと背伸びしたり、甘えたりするかわいい彼氏を演じて、当事まだ無名に近かった彼をスターにさせた作品でもある。このドラマの作家は『星を射る』『美しき日々』を書いたユン・ソンヒさん。だからなんとなく雰囲気が似てるな~と感じるかも知れない。

 巷は年下彼がトレンドだというのに、12歳も年上の歌手イ・スンファンと派手に結婚し、残念ながら入籍もせず離婚してしまった「イブの全て」のチェリムの絶頂の姿と、まだちょっと演技下手なクォン・サンウとソ・ジソプが観られるお宝ドラマ。2002年1月から3月までSBSで放映され、友達から恋人になるカップルとその周辺人物の成長日記のような作品で、「まるで少女コミックを読んでいるようなほのぼのした温かいドラマだった」と今でもBlogに書き込みが絶えないほど。

 いつも誰かに恋する惚れっぽいホジョン(チェリム)の恋愛暦を中心に女友達3人の恋と三角関係と微妙なやきもちを面白く描いた作品で、ギュイン(ソ・ジソプ)とホジョンの途切れそうで途切れない縁もいいけど、特に見どころはホジェ(クォン・サンウ)とスジ(イ・ウジョン)の恋愛関係。生まれて一度も男と付き合ったことがない背も低くお世辞にも美人とは言い難いがお金持ちの一人娘スジと、この世の女性はすべて自分の魅力に溺れるしかないと自信満々のホジェが少しずつ近い関係になり、家出騒動になるほどの熱烈な関係に発展するところを見守るのも、クォン・サンウファンの義務でしょう。

 偶然にも『火の鳥』は春、『星を射る』と『ただいま恋愛中』は秋から冬にかけて撮影されたドラマなので、蒸し暑い夏を忘れさせてくれるに違いない。夏休みも韓国ドラマと一緒に涼しく過ごしましょう~。

By-
RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情 
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