第30回 誤解が誤解を招きとんでもない展開に! エリックとシン・ソンウの魅力対決 |
2006年10月12
●法事準備のうっぷん晴らしにエリック!?
10月6日はハンガウィ、韓国のお盆。漢字語では秋夕(チュソク)ともいうが、純ハングルではハンガウィという。
ソルナル(お正月)と並ぶ2大名節として全国に散らばっている親族が一堂に集まる大事な連休なんだけど、正直しんどい。結婚する前は、久しぶりに従兄弟や叔父、叔母に会えるソルナルやハンガウィを心待ちにしていたのだけど、結婚してみると、旦那の実家で法事と親戚の世話に追われ、ようやく実家に帰ることができるのは連休最後の日の午後。ちょっと悲しくなってしまう。最近はだんだん女性が強くなり、旦那の実家ではなく自分の実家に帰る人も増えているけど、連休に海外旅行なんてシングルの特典にすぎない。
韓国の法事は毎年亡くなった日と、ソルナルとハンガウィ。亡くなった方一人当たり年に3回あり、代々の先祖を祭る法事、村の神様を祭る法事などを含めると年に20回以上法事がある家も珍しくない。法事はお経を唱えるものではなく、家族の参加が大事だ。天ぷらやお肉、ナムルなど15~20種類ぐらいの手料理を用意して、それぞれ料理や果物などを祭壇に高く積み上げて飾る。それから男性を中心に家族が一同に集まり跪いて両手を地に付け頭を下げるジョル(礼)をする。それから法事に出したナムルでビビンバップを作って一緒に「飲福(食べる)」する。
法事の準備は全部、姑から嫁に受け継がれるんだけど、「結婚ってこんなはずじゃなかった!」とがっかりするほど、嫁としての役割は大変。韓国にお嫁にいく日本人女性がとても増えているけど、私の知り合いは兄嫁が日本人。「姑が、外国から嫁に来てくれたとチヤホヤ、私に全部まかせっきりだから嫌になっちゃう」と嘆いていた。韓国のように濃い親戚付き合いをする国では姑よりも嫁同士の関係がよくないと家庭の平和は難しい。日本人のお嫁さんたちよ、オモニ(お母さん)、アボジ(お父さん)も大事だけどドンソ(夫の兄弟の嫁)とも仲良くしてください。
主人公チェ・ガン役にエリック、上司で恋敵でもあるガン・ウンヒョク役にシン・ソンウ、情報局要員で三角関係のヒロインでもあるゴン・ジュヨン役に「オールイン」の子役だったハン・ジミン、美女スパイでウンヒョクの元彼女アリス・ジン役にユン・ジミン(c) SBS (※ 画像はクリックで拡大) |
実はこのドラマ、キャスティングも制作も突然決まったものだから、初回から4話目あたりまでは「は~?」と嘆きたくなるような低予算のB級映画っぽかったのが、5話あたりからどんどんストーリーに加速がついてエリックとシン・ソンウの魅力炸裂!って感じになってきている。
“落下傘”とは天下りのことで、「あの子落下傘(ナッカサン)で入ってきたんだって」というと、親戚の誰かが社長と知り合いだったりするわけだ。
天下りで情報局の要員になったエリックだけど…… (c) SBS (※ 画像はクリックで拡大) | ますますカッコよくなったシン・ソンウ (c) SBS |
SBSのインターネットでの視聴方法について詳しくは第4回:無料で楽しむ韓国ドラマ 入門編4<ヨン様新作が話題SBS>を参照。
無料で観みられる40秒予告あり。 は「NeTV」といって、予告編を観ながら好きな場面をキャプチャーしたり、部分部分録画して自分だけのエリック動画が作れるサービス。
●誤解が誤解を招き運命が好転
エリックは何をしてもかっこかわいいんだよね (c) SBS |
地下鉄の駅では占い師から突然、「お前は頭ではなく体を張って生きていく運命だよ。今年のうちに貴人が現れ大成功する」と予言。駅で偶然であった高校時代の同級生から「体を張って頑張れる仕事がある」と誘われついて行ったところ、それは電気カーペットのピラミッド商法だった。電気カーペットを無理やり買わされ、家に帰るとお母さんがすごい剣幕で怒り出し、「今すぐ返品して来い」と大騒ぎ。
電気カーペットを持ってバスに乗ったチェ・ガンは偶然、高校時代の同級生ゴン・ジュヨン(ハン・ジミン)を見かける。彼女を追いかけるチェ・ガン。そのとき、黒塗りの車がおばあさんを轢きそうに。迷うチェ・ガンは隣の人に背中を押され、電気カーペットの上に転がるようにして偶然にもおばあさんを助けてしまう。
さらに偶然にも、その車には大統領が乗っていた。大統領に「表彰したい」と言われたチェ・ガンは、テレビにでも出ると自分を押した人が目撃者として登場し、真実が明かされるのではないかと心配し、表彰を断る。大統領は勘違いして喜び、「こんな立派な青年が何人がいてくれるだけで頼もしいではないか」と秘書官に言う。秘書官もまた勘違いしてチェ・ガンを国の情報局に推薦し、情報局の人々は「大統領の落下傘(天下り)ですごい新人が入って来た」と緊張する。
エリックもいいけどシン・ソンウ横顔もいい~ (c) SBS |
気になる同級生のゴン・ジュヨンも実は情報局の要員で、情報収集のためホステスとして働いていた。チェ・ガンとウンヒョクの間で揺れるジュヨンと、ジュヨンとアリスの間で揺れるチェ・ガン、ジュヨンをどんどん好きになるウンヒョクの4角関係はどうなることやら~。
毎話、チェ・ガンの一言一言に過敏に反応し、「こいつはただもんじゃない~」とどんどんエスカレートしていく情報局の人々もおかしいけど、チェ・ガンが就職したことをまったく信用しない家族もすごく笑える。
予告編では、「こちら情報局だ」との電話を「情・報局さん?って誰?」と切ってしまうチェ・ガンと、「情報局からの電話を切ってしまうとは……」と驚き、チェ・ガンは特殊要員から選ばれてきたんだと勘違いする情報局の課長が笑える。エリックのカッコよくもとぼけたコメディと、シン・ソンウの凛々しいカリスマの両方を味わえる、2度おいしいドラマといえる。
●大注目の新ドラマはハ・ジウォン久々の出演作
でも実は、「無敵の落下傘要員」より期待されている水木ドラマがある。10月11日からKBSでスタートした「黄真伊(ファンジンイ)」だ。「バリの出来事」「茶母(チェオクの剣)」のヒロインだったハ・ジウォンの久々のドラマ出演。
黄真伊は朝鮮時代の有名な妓姓(ギセン、芸者)で、絶世の美女でもあり、詩人としても数多くの名作を残している。女性の恋心をうたう詩が多いのだが、今でも覚えているのは「冬至の暗く長い夜を春風の布団の中に隠しておいて、あの方がいらした夜に一つずつ取り出せたらいいのに」という詩で、初めて詠んだ時から圧倒されて頭から離れない。黄真伊はちょっとやそっとじゃ会えない氣高い妓姓で、客と即席で題を出して漢詩をうたい合い、実力を見てから相手にしたほど。日本の紫式部と清少納言が舞妓さんだった、って感じかな? 彼女の詩は、ぜひネットで探してみてくださいね。
「黄真伊」は「秋の童話」「フルハウス」のソン・へギョ主演で映画でも制作されるので、ハ・ジウォンの黄真伊かソン・へギョの黄真伊か、今から注目されている。
ドラマ「黄真伊」は彼女の妓生としての修行と成長過程を細かく描く予定で、真夏から10kgはある伝統衣装とかつらをかぶって踊るシーンが多く、頭はくらくら、抜け毛もすごいと出演陣は嘆いているとか。予告編のポスターは真っ白な肌とセクシーでもあり、人をみくびる様な妙な微笑みが印象的で、購入問い合わせが殺到しているとか。ハ・ジウォンのお父さんですら「これはうちの娘じゃない」と勘違いしたほどの変身ぶりというから待ち遠しい! アクションとメロ演技を同時にできる数少ない女優、といわれるハ・ジウォンにも注目しましょうね。
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RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情 Link