第39回:韓国の夏休みの過ごし方~イケメン揃いの韓国版「花より男子」が人気







第39回
韓国の夏休みの過ごし方
         イケメン揃いの韓国版「花より男子」が人気

2007年8月15日


 2007年の暑い~夏はいかがお過ごしだろうか。東京ドームでチャングムの誓いのイベントが大反響だったと、韓国でも大きく報じられた。

 私はソウルから4時間ほど離れた江原道の「束草(ソクチョ)」で夏休み中だ。束草と聞いて「もしかしてあのドラマのロケ地では!」と叫んだあなたは立派な韓流ファン! 束草は韓流の原点とも言える「秋の童話」のロケ地だ。

 秋の童話は中国語圏でもっと人気があるらしく、街のいたるところに「ここが○○場面のロケ地」と中国語と日本語で書かれた看板があった。ウンソが住んでいた街「アバイマウル」に行って北朝鮮式のスンデも食べた。スンデは豚の腸詰のことだが、ソウルで食べる屋台のスンデは皮が薄くて春雨が多いのだが、アバイスンデは野菜ともち米がたっぷり入ってサイズも大きく、一味も二味も違う。アバイマウルは1950年韓国戦争のとき、北朝鮮から逃げてきた避難民が集まってできた村なので、北朝鮮式の料理が有名だ。辛くあえたお刺身を載せた令麺もやわらかくて冷たくて、これまた美味しい。









韓流の原点とも言える「秋の童話」のロケ地(※ 画像はクリックで拡大) アバイスンデ

 ヤンヤン国際空港を利用すれば車で40分ほどで着くのだが、残念ながら日本からの直行便はないようだ。



●韓国のドラマ好きはモバイル環境まで変える

 束草といえば限りなく続く海水浴場と青い海、そして韓国を代表する山「雪嶽山(ソルアグサン)」の入口ともいえる場所だ。この夏韓国ではリゾートやホテルではなく、自前のテントと車で利用する「オートキャンプ」が大ブーム。私も早速ネットで一式買い込んで、雪嶽山国立公園でキャンプに挑戦している。

 夜テントの前でバーベーキューをしてお腹いっぱいになったところで、皆さんは何をやっているのかな~と観察したところ、ほとんどの人がDMB(digital multimedia broadcasting)受信携帯電話や車のナビゲーションを利用して8時と10時のドラマをしっかり観ていた。地下鉄の中でも携帯電話を利用してテレビを観る人が増えているが、この山奥のキャンプ場にまでDMBが届くとは驚きだ。

 DMBとは、移動しながら受信するモバイルテレビのことで、韓国では衛星DMB(日本のモバHO!と同じ衛星を使う衛星モバイル放送)と地上波DMB(日本のワンセグと同じ地上波放送をそのまま受信)があり、どちらも全国どこでも地下鉄で移動しながらもテレビを受信できる。地上波DMBは
サイマルだが、衛星DMBは有料でドラマを24時間再放送するCATVが視聴できるので、ドラマ好きにはたまらない。

●地下鉄でも携帯・モバイルTVとも利用可

 韓国では携帯電話はいつでもどこでも通話ができなければ意味がないと思われているため、地下鉄の中でも携帯電話をマナーモードに切り替えるどころか大声で話している人もよく見かける。携帯電話を利用したモバイルテレビも、全国どこでも途切れず利用できなければ意味がなく、地下鉄駅構内の片隅にはキャリア3社のロゴが入った中継器の箱と一緒に、DMBのギャップフィラー(電波の届きにくい地域や場所の受信特性を改善する装置)も設置されている。実はこのDMB、世界で初めて商用化されたモバイルテレビで、衛星DMBは2005年5月から、地上波DMBは2005年12月から放送されている。

 2007年5月末現在、衛星DMB携帯電話の加入者は113万、地上波DMB携帯電話は236台、カーナビやノートパソコン、受信機などが297万台、合計533万台にのぼる。韓国で発売される携帯電話、ナビゲーション、PMP(Portable Multimedia Player、PDAのような動画再生機)のほとんどがDMB受信対応端末で、衛星DMBと地上波DMBを同時に受信できる端末も増えている。


●韓国では予約録画はしない!?

 いつでもどこでも移動しながらでも、観たい番組を逃すことがなくなり、さらにパソコンからはVOD、テレビからはIPTVを利用すれば、見逃した番組までもが、いつでも好きな時間に再生できるようになり、韓国では「予約録画って何?」のような世界になっている。DVDレンタルも、ショップまででかけるのは面倒と、IPTVの利用者が増え、携帯電話料金またはインターネット利用料金と合算で支払うようになっている。

 IPTVは、地上波の放送を同時にIP経由で放映してはならないという放送法があるため、再放送中心となっているが、来年あたりはテレビとリモコンさえあればホームネットワークで家電を操作し、ネット検索をしながらテレビを観たり、電子申請をしたりと、今実証実験サービス中のことがすべて商用化されるため、韓国のドラマファンにとって、ますますドラマにどっぷりはまれる環境が整うことになる。

●イケメン揃いの韓国版「花より男子」が人気

 では、この頃DMBで人気のドラマは何かというと、「
コーヒープリンス1号店」だ。











コーヒープンリンスの美男子たち ユンウンへ(ウンチャン役)、コンユ(ハンギョル役) 左からイソンギュン(ハンソン役)、チェジョンアン(ユジュ役)、ユンウンへ(ウンチャン役)、コンユ(ハンギョル役)

 アイドルグループ「ベビーボックス」出身で、ドラマ「宮」「ぶどう畑のあの男」で立派に女優デビューしたユン・ウンへが今度は男装に挑戦した。コッミナム(直訳すると花美男、美少年のこと)しか雇わないコーヒーショップでバリスタとして成功するため男装して就職するが、そこで運命の人と出会う。最後まで男のふりをするのか、告白するのか!

 もう一人の主人公コンユも今まではちょっと油っぽい役柄が多く、あまり好印象ではなかったが、ここではもう~男の魅力を精一杯出し切っている。コンユ、イ・ソンギュンを始め、あちこちのドラマで「この人カッコいい~」と印象に残っていた美男子が勢揃い! ストーリーはまったく違うが、韓国版「花より男子じゃない?」と噂されているほど、目を喜ばせてくれるドラマだ。また、日本から彼女を探しにやってきたという設定のコーヒープリンスの美男子の一人であるキム・ジェウクにも注目だ。

 実際にコーヒープリンスは、ソウル弘益大前の「オーチャード」というカフェを貸切で撮影中。連日、韓国はもちろん、日本や中国、台湾からもファンが駆けつけ、コンユの姿を一目見ようと大騒ぎだ。コーヒープリンスは、ラブストーリーに限らず韓国人のカフェ好きぶりものぞけるので面白さが倍増。日本でもすでに口コミで火が付いたと聞く。コンユの日本ファンミーティングも近々開催される予定だ。

 今回は、“韓国のドラマ好きはモバイル環境まで変える!”ということで、DMBとコーヒープリンスを紹介した。韓国ではソウル新村にある三星電子のANYCALLスタジオでDMBを体験できるので、韓国旅行の際にはぜひ立ち寄ってほしい。新村駅4番出口からすぐだ。



By-
RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情  
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