第6回:2005年上半期視聴率記録更新!今韓国はタフな彼女“サムスン”に夢中

2005年7月20日









第6回
2005年上半期視聴率記録更新!

今韓国はタフな彼女“サムスン”に夢中







『私の名前はキムサムスン』主人公のサムスンとジンホン
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(c)iMBC
 また出ました! 視聴率“44.7%”、2005年上半期もっとも記憶に残るドラマ『私の名前はキムサムスン』(MBC、毎週水木夜9時55分~・7月21日最終回)。同名のインターネット小説が原作だけど、出生の秘密もなく悪役もいない。記憶喪失もなく三角関係もない。なのにネットでは毎日サムスンのことで盛り上がり、水木はとにかくTVが見られる場所にいないと不安、ドラマのファッションも小物も登場人物もみんな国民的人気を誇っている。

●主人公はモテナイ女の子

 どんな苦境にもめげず笑顔で励む美人が主人公の「パリの恋人」、「フルハウス」、「天国の階段」といったシンデレラ物語から脱皮し、名前はこの世でもっともダサイ「サムスン」だし、お金もないし、ぽっちゃり体型で美人でもないし、口は荒いし暴れん坊でよく怒るし、という男に縁がないパティシエ(洋菓子作り)が主人公だ。女性らしい名前に改名し、お見合いに成功し自分のことを理解してくれる男性と結婚するのが当面の目標だったが、この男ジンホンに出会ってしまったために人生が思わぬ方向へと進んでいく。

 28歳のクリスマスイブ、サムスン(キム・ソナ)は浮気している彼を尾行しホテルに辿り着く。彼といちゃいちゃする見知らぬ女を殴り倒してやりたい気分で部屋をノックするが、現実では彼にしがみつき泣きすがり別れたくないと大騒ぎしてしまった。ちょうどそのとき、母に背を押され仕方なくお見合いのためホテルに来ていたジンホン(ヒョン・ビン)は相手を怒らせ、水をぶっかけられてしまう。

 泣きながらトイレに駆け込んだサムスン、そのまま悲しく泣き崩れるのかと思ったらいきなり服を脱ぎ出すではないか! 何をするかと思ったらお腹にまきつけていたコルセットを急いで外し、ほっとした表情で本格的に泣き始める。だがそこは男性トイレ。濡れた服を乾かそうと入ってきたジンホンはトイレのドアを無理やり開け、サムスンに冷たく「ここで何やってるんですか。おばさん、あんた変態か?」と軽蔑の眼差しを。

●投げつけたケーキでパティシエに採用!?

 その後サムスンは失恋のストレスからますます太り、稼ぎ時のクリスマスイブに勝手にベーカリーを休んでしまったことでクビになり、職探しのために泣く暇もない。自分の腕前を披露しようとマンゴムースケーキを持参して乗り込んだフレンチレストラン「ボナペティ」。ひょんなことからある男性のボタンに髪が絡んでしまったサムスン。何とか解こうとするがその男はバッサリ、サムスンの髪を切ってしまう。ついに爆発したサムスンはケーキを男の顔に投げつけ暴れまくるが、彼はこのレストランのオーナー、ジンホンだった。顔についたケーキを味見したジンホンはサムスンの才能を認めパティシエとして採用するが、この二人は他にあることも契約するのであった。


視聴!<私の名前はキムサムスン>

 『私の名前はキムサムスン』(MBC、毎週水木夜9時55分~・7月21日最終回)を視聴するには、ドラマページの「overseas」(海外利用者向けVOD)メニューをクリック。VODは1件1,000ウォン、リアルタイム(On Air)は無料。
 MBCについて詳しくは
第3回:無料で楽しむ韓国ドラマ 入門編3<有料でも見たい!MBC>を参照。



ここまで読んでいかがですか、みなさん。韓国ドラマにしては結構新鮮なストーリー展開になりそうだと思いませんか?







サムスン
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●サムスン役のキム・ソナ、実はセクシーな才女

 サムスン役のキム・ソナはCMモデルから映画に進出し、コメディー女優として名高い。高校は東京で卒業、大学はアメリカでピアノを専攻したが芸能界デビューのため中退。日本語も英語もペラペラだ。キム・ソナは筆者の高校の先輩で東京韓国学校出身なのだ。背が高くアンジェリーナ・ジョリーっぽい唇がセクシーだったのが印象に残っている。なのにプロフィールを見ると筆者よりかなり年下になっている。トホホ~。

 年下でかわいい顔して性格は超悪いし、わがままで優柔不断なジンホン役のヒョン・ビンは「ノンストップ」、「アイルランド」に出演した若手俳優でまだ幼さも残る美少年。サムスンの母に挨拶に行き、気に入ってもらおうとカラオケでネクタイを頭に巻いて踊るシーンは本当に意外だったな~。

●ヒジン&ヘンリーも大人気

 ジンホンと結婚を約束しながらもある日突然姿を消すが、実は胃がん。3年間アメリカで闘病し、がんを克服して彼の元へ戻ってきた美人で心やさしいヒジン(ジョン・リョウォン)、ヒジンのすべてを愛し彼女を追いかけアメリカからやって来た医者のヘンリー(ダニエル・へニー)の二人も主人公に負けない人気ぶり。







ヘンリーとヒジン
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 ヒジン役のリョウォンはサムスン以上に注目されている女優で、「シャクラ」という女の子アイドルグループ出身だが、歌よりも演技のほうが似合うと大好評! 韓国20代女性がもっとも真似したい女優にも選ばれた。

 ヘンリー役のダニエルは韓国人の母とイギリス人の父をもつハーフでモデル。このドラマがデビュー作となったが、韓国語がまったく喋れないのでセリフはすべて英語。彼の姿をもっと長く拝みたいとの要望から水着シーンまで登場したほど。これも事前制作ではなく、作りながら放映する韓国ドラマならではのサービスだ。

 『私の名前はキムサムスン』は最終回(2005年7月21日放送予定)に向け、これでもか~と面白い場面が目白押しになっている。その一方でヒジンは、実はジンホンの母の命令で何も言わずアメリカへ行くしかなく、がんを克服すれば結婚してもいいと約束していたのに、今になって「病気の嫁はいらない」と冷たく言われ、ジンホンからも別れを告げられてしまう。「ヒジンが悲惨すぎる!」とヒジン&ヘンリーのハッピーエンド説を希望する視聴者が多く、この二人が幸せそうにキスするオレンジジュースのCMが21日最終回直後に放映されるらしい。

●現実的なストーリーに共感呼びまくり

 『キムサムスン』は「こんなのありかよ~」という、今までの韓国ドラマとは違い、すごく現実的で誰でも一度は経験したことがありそうなエピソードが満載。職業もなく美貌だけで王子様に選ばれるラブファンタジーを笑いものにするセリフがあったり、今までタブーとされていた女性から迫る「性」についても何気なく突っ込んだり、独身女性の目線から見た世界が軽快に描かれている。男に頼らない芯の強い女性でキャリアもある、恋はしたいけど男に媚びない、でも一人でいるときは「もし私がとてもきれいで痩せていたら、こんなこともしちゃうな~」と空想の世界を駆け巡る主人公の姿に「まるで私の話みたい」と、共感する女性が多いのが人気の秘密だろうか。

●ケーキもファッションも今韓国は“サムスン”に夢中

 サムスンの職業がパティシエなだけにケーキを作る場面もよく登場する。ドラマに登場するケーキはすべてソウルプラザホテルのケーキ専門店「デリープラザ」のもの。ケーキはもちろん、クッキングクラスも大人気で行列ができるほど。もっとも人気なのはサムスンがジンホンに投げつけたマンゴムースやラズベリムース、お客さんのプロポーズを手伝おうと作ってあげたマルキーズ グラッセ、ジンホンのために作ったミルフィーユ。ドラマ放映後、売上が20%以上も伸びたとか。パティシエを目指す人も増え、ドラマでサムスンがフランスで通ったとされる「ル・コルドン・ブルー」ソウル校には問合せが殺到しているそう。

 東大門のショッピングモールでもサムスンファッションが大人気で、ディスプレーされた洋服の大半に「サムスン風ブラウス」、「リョウォン風麻短パン」と書かれた札が貼ってある。梅雨の時期は買い物客が減るのが普通だが、サムスンのお陰で逆に売上を伸ばしているお店が多いというから驚き。

 熱しやすくて冷めやすい韓国なので、ドラマが終ると「いつの話?」とサムスンの話題もあっという間に消えてしまうかもしれないが、とにかく今はサムスンを知らないと仲間に入れない!


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RBB TODAY : 趙章恩の現地直送「韓ドラ事情    Link

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