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韓国最大手通信事業者(キャリア)のKTは、2013年5月末からサムスン電子のAndroidスマートフォン「GALAXY S4」を購入した先着1000人に対し、1年後に端末代金残高や「違約金」(24カ月契約とするいわゆる“2年縛り”の代わりに利用料金を割引してもらった分を違約金として支払い、自分割りとか家族割りなど割引してもらった分も返す)、その他手数料一切なしで新規スマートフォンに機種変更できる「チェンジアップ」プランを始めた。条件は月々5500円(直近の為替レートで日本円に換算した場合、以下同様)以上のLTE料金プランに加入すること、それから、1年後に機種変更をする際には端末を返納することである。
つまり、通常の24カ月契約で加入し、利用料と端末代金を分割で支払う。12カ月過ぎた時点でKTの公式Webサイトから機種変更すれば、GALAXY S4の端末代の残金や24カ月契約を満たなさなったことに対する違約金はなかったことになる。新機種を選んでまた新しく24カ月契約で加入できる。
頻繁に機種変更したい人には朗報のはずが…
キャリアを乗り換える場合、契約期間が残っていても、「違約金相当を割引するからうちのキャリアに変えませんか」と代理店が勧誘することは、これまでにもよくあった。しかしキャリアが自ら違約金無しにして1年で機種変更できるようにしたのは、韓国ではこれが初めてである。
スマートフォンの新機種は1~2カ月ごとに発売されている。「24カ月も同じ端末を使うのは嫌だ」というユーザーも多かったはずなので、チェンジアッププランは喜ばれるだろう…というのはキャリアの思い込みだったようだ。
なぜなら、GALAXY S4の端末価格が7万円ほどと高めだ。端末代金の24回分割払い分を上乗せすると、最も安い料金体制を選んでも月々8500円程度を払う必要がある。1年後に解約すれば、チェンジアッププランに加入しない場合、端末の月賦残りと違約金で5万円ほど払わないといけないが、チェンジアッププランならこれが無料になる。しかし、ネット上では「KTの新プランはユーザーをバカにしている」という不評が絶えない。
趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20130531/1092485/