金好きなお国柄? サムスンが韓国でシニア向けスマホ「GALAXY Golden」発売 [2013年8月23日]

韓国サムスン電子がガラケー(従来型携帯電話)のようなデザインのフォルダー(折りたたみ)型LTE対応スマートフォンを発売した。シニア層をターゲットにしたスマートフォンということで、その名もずばり「GALAXY Golden」。

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韓国サムスン電子が発売したシニア層向けスマホ「GALAXY Golden」。

 「シルバー」ではなく「ゴールド」なのが韓国らしい。ちなみに、中国人の金好きは有名だが、韓国も負けないほど金好きで、貯金の代わりに金を購入する投資が流行っている。

 端末は全体がゴールドというわけではなく、黒を基調にふちがゴールドなのだが、高級感たっぷりのデザインに仕上がっている。韓国のスマートフォンユーザーの間ではかなり話題を呼び、シニア層をターゲットにしているにもかかわらず、珍しい端末好きの20~30代の若者にも売れているようだ。ブログでは「お父さんにプレゼントしたい」「持っているだけで金持ちに見えそう」という書き込みも増えている。

3.7型タッチディスプレイを2つ搭載

 GALAXY Golden は、3.7型のデュアルタッチパネルで、フォルダーの両面にディスプレイがついている。フォルダーを閉じたまま普通のスマートフォンのようにタッチして使い、フォルダーを開くとガラケーのように使える。

 サイズは幅118×奥行き59.5×高さ15.8mm。女性の手の大きさでも使いやすく、片手にすっぽり入る。重さは179gある。タッチパネルが両面に付いているせいか、若干分厚く、重く感じる。800万・190万画素カメラ、FMラジオ受信機能も付いて端末出荷価格は約7万2000円だ。

 タッチパネルで文字を入力するのが苦になるシニア向けに、メールやSMS(ショート・メッセージ・サービス)を利用する時は使い慣れたガラケーのように、キーパッドでボタン操作できるようにした。無料通話・SNS・マップ・電子書籍などスマートフォンで人気のアプリも使える。キーパッドでKAKAOやLINEを使えると、もっと早く楽に文字を入力できそうだ。

端末のどこに耳を当てても声が聞こえる

 GALAXY Goldenのタッチパネルのホーム画面も、シニア向けにシンプルにした。体重管理や万歩計機能があるサムスン独自のヘルスケアアプリ「Sヘルス」、名刺をカメラで撮影するとアドレス帳に電話番号やメールアドレスなどを自動保存できる名刺認識アプリをプリインストール。最新のスマートフォン「GALAXY S4」で使える機能はおおむねGALAXY Goldenでも使える。

 通話の際にはフォルダーを開かず、端末のどこに耳に当てても声が聞こえるというのも面白い。インターネットも使うが、音声通話の方が多いという人にはぴったりのスマートフォンだ。サムスンは「消費者の個性とニーズを反映してスマートフォンのラインアップを強化していく」とコメントした。

中国では富裕層向けに発売済み

 実はこのスマートフォン、一足先に昨年末中国で発売されている。ジャッキー・チェンがCMに出演し、中国の富裕層が好きな金色スマートフォンとして話題になった。端末価格は約15万円と韓国の2倍だったにもかかわらず、「今までで一番使いやすいスマートフォンだ」として富裕層のビジネスマンに売れた。

 サムスンのGALAXYシリーズはピンク、パープル、ブルーなどもともとカラーバリエーションが豊富だ。一方、米アップルが近々発売すると噂されるスマートフォンの新機種“iPhone 5S”で、従来機のホワイト、ブラック以外に「シャンパンゴールド」をラインアップするようだ。サムスンはアップルに対して先手を打ってゴールドのスマートフォンを発売したという報道もある。金好きな中国市場を狙ってiPhoneもゴールドを出すというのだ。

 米ストラテジー・アナリスティクスによると、2013年4~6月の世界LTEスマートフォン市場シェアはサムスンが47.0%(販売数2720万台)で1位だった。2位はアップルで23.5%、3位はソニーで6.2%だ。シニア層や富裕層、新興国市場も巻き込んで、スマートフォン市場の競争がますます盛り上がってきた。

趙 章恩=(ITジャーナリスト)

日経パソコン
 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20130823/1102243/

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