韓国の情報通信事情 IPTVの規制緩和が追い風

セットトップボックスが活況に


業界は最大手KTの動向に注目


 


 


【ソウル2007年11月、韓国国会の放送通信特別委員IPTVを利用した地上波放送のリアルタイム再送信を許可したことにより、08年下半期からはIPを由してTV放送を利用できるようになる。審議に4年間を費やしたIPTV法案(インタネットマルチメディア事業法案)は、いよいよ12月臨時国会で議決される見み。この法案成立を追い風に、いま活況を呈しているのがセットトップボックスのベンダである。


 


 TVにセットトップボックスをつないで利用するIPTVは、これまで映やドラマのVOD(ビデオオンデマンド)による再放送しか賞できないように規制されていた。それが地上波放送でリアルタイムの放送もできるようになれば、難視改善のために韓全世84%ほどが加入しているケブルTV並みに普及すると予測されていることから、セットトップボックスの需要急が期待されている。


 


 連業界は活な動きをみせている。KTのMegaTV、HanaroTelecomのHanaTVにいて、光ファイバで勢力を伸ばしているLGDacomまでもがIPTVを開始すると表した。さらには、移動通信キャリアのSKテレコムも三星電子、LG電子、CJインタネット、iHQなど家電メと映像コンテンツ業者10社を集め「365℃」というIPTVサビスを始めたことから、セットトップボックスの需要はえる一方と見まれている。


 


 KTとHanaroがセットトップボックスの仕入れを1社との占契約から複社が納品できるように契約を切り替えたためにメ入がえたことも、活況を後押しする要因だ。HanaTVはCelrun社とセットトップボックスの占契約を結んでいるが、08年3月からは現代デジタルテックとも契約を結ぶ計だ。一方で、Celrun社はKTのMegaTVとの契約も進めている。


 


 通信社のほかにケブルTVもデジタル放送を始めており、KTと契約しているHUMAX社や三星電子、DASANネットワクスは「地上波放送での送信が始まればIPTVの加入者がえるだろうし、HanaTVやケブルTVとも契約できればセットトップボックスの上高は2倍近くえると見んでいる」と口を揃える。


 


 通信社はIPTVとブロドバンド、IP電話をセットで申しむと利用料金を10%引きしており、HanaroTVの加入者30%にあたる110万人がIPTVとブロドバンドの方を利用している。SKテレコムは自社携電話加入者がIPTV「365℃」を申しむと料金を割引する計だ。


 


 しかし、順風帆というわけではない。通信業界やセットトップボックス業界が警戒しているのは、KTの動きだ。韓では最大の通信社であり固定電話シェア98%、ブロドバンドシェア50%を超えるKTがIPTVと固定電話をセットで割引したり、子社の移動通信キャリアKTFを利用して携電話とブロドバンドとIPTVをセットで割引するなど、資金力で通信と放送市場の方を牛耳ってしまうのではないかと懸念しているのだ。携電話シェアで50%以上を握っているSKテレコムはこれに抗し、HanaroTelecomを買する計をもっており、IPTVはKTSKテレコムの競に絞られてくる可能性が高い。そうなると、セットトップボックス市場も社に支配されるのではないかというわけである。


 


 セットトップボックス業界は08年にハイビジョン受信機能を化した新製品を発売する予定だ。現在はまだ一般質のセットトップボックスがほとんどで、ハイビジョンクラスは5%にも達していない。09年までにハイビジョンの割合を60%までに高めていくというのが業界の思惑だ。



趙章恩(チョウ
チャンウン=ITジャナリスト)


 


 BCN This Week 2007年12月10日 vol.1215 載] Link


 


 

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