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韓国の教育政策を担当する教育部は2014年6月30日、全国の小学校4年、中学1年、高校1年の156万人を対象に実施した「インターネット・スマートフォン利用習慣診断」調査結果を発表した。
今回の調査で、日常生活に支障が出るほどのインターネット中毒「高危険状態」と診断された青少年は9541人で、「潜在的危険状態」は9万5516人。小中高校生の中で、最もインターネット中毒が多かったのは中学生だった。
一方、スマートフォン中毒の「高危険状態」と診断された青少年は、インターネット中毒の3倍近くにも及ぶ2万6296人に達した。「潜在的危険状態」は16万303人。スマートフォン中毒は低年齢化が進んでいて、中高生のスマートフォン中毒は年々減少しているのに対し、小学生は年々増加している。
中毒状態には男女差もみられた。インターネット中毒は男子が女子の2倍近く多く、逆にスマートフォン中毒は女子の方が2倍近く多かった。インターネット中毒のほとんどはオンラインゲーム中毒なので男子学生が多い。これに対してスマートフォン中毒は、すぐに返事しないといけないからとSNSに執着する女子学生が多かった。
韓国青少年政策研究院の調査によると、2013年末時点で韓国の小学校4年~高校3年生の90%が携帯電話を所有していて、そのうち81.5%がスマートフォンだった。スマートフォン保有者の77.1%はSNSを利用していた。青少年の多くがスマートフォンとSNSを利用していることから、スマートフォンの長時間使用、SNS上のいじめといったことも問題になっている。スマートフォン中毒の「高危険状態」の青少年ほど、SNS上のいじめを経験した割合が高いことも確認されている。
インターネット・スマートフォン利用習慣診断は、インターネットやスマートフォン、ゲーム中毒を予防するために学校で行う診断である。子供たちがオンラインアンケートに答えると、アンケート結果から利用習慣を分析してインターネットやスマートフォンに依存しすぎているのではないか、中毒状態ではないかを専門家が診断して、学校を通じて診断結果を保護者に知らせる。
中毒状態という判断が出た場合は、保護者の同意を得て、全国16カ所にある青少年福祉センターの担当者がより詳細な心理検査を行い、その後、保護者に病院を紹介してカウンセリングを受けさせるようにする。カウンセリング費用は教育部が補助するので、経済的に大きな負担がかかることはない。診断結果やカウンセリングを受けていることも秘密にできる。
青少年福祉センターによると、インターネット中毒とは、パソコンやインターネットの過度な使用で現実の生活に支障が出るほどの身体的・精神的異常現象を経験することだという。「インターネットをしていると何か楽しいことが起こりそうでやめられない」「インターネットの利用を中断すると不安になる」といった症状から始まり、うつ病や衝動調節障害になる人もいる。
スマートフォン中毒はインターネット中毒と同じく、スマートフォンの使い過ぎで日常生活に支障が出るほどだが、スマートフォンの使用をやめようと思ってもやめられない状態のことをいう。スマートフォン中毒は青少年の対人関係や社会性に与える影響が強く、インターネット中毒とは若干違う面があるという。