韓国通信3社が続々開始、24時間無人携帯ショップの実態は?

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 1年以上続く新型コロナウイルスの感染拡大の中で、韓国の携帯ショップが激変している。韓国KTと韓国SK Telecom(SKテレコム)、韓国LG U+(LGユープラス)の通信3社が、24時間365日営業の無人携帯ショップを続々とスタートしているからだ。通信各社は、オンライン手続き後、スマートフォン(スマホ)とSIMカードを即日配送するサービスも強化している。韓国でいち早く進む携帯ショップのデジタルトランスフォーメーション(DX)は、オンライン専用プランの登場で曲がり角を迎えている日本の携帯ショップの今後も示唆する。

自動販売機からスマホが出てくる

 韓国の通信3社の中で真っ先に24時間365日営業の無人携帯ショップをオープンしたのは、韓国の携帯電話シェア1位のSKテレコムだ。20年10月、韓国ソウル市内に「T Factory」という名前の無人店舗を設置した。

 契約までの手順は以下の通り。まず店舗の入り口で、利用者の顔や携帯電話番号、氏名など本人確認をして登録する。以降は店舗に顔認証で入場できるようになる。顔認証と新型コロナウイルス対策の発熱チェックを同時に行う入場ゲートを通ると、人工知能(AI)が料金プランの相談や各種手続きを行うタッチパネル式のセルフキオスク端末が置いてある。

 セルフキオスク端末を操作し、購入したい端末機種やカラーを選択。続いて機種変更/MNP(モバイル番号ポータビリティー)/新規加入という加入形態を選び、電話番号を確認。料金プランや端末代金の分割払いの回数、家族割など各種割引プランを選択する。最後にもう一度本人認証し、個人情報を確認して約款に同意すると手続きが終了する。セルフキオスク端末の隣にある自動販売機からスマホが出てくる。

 SKテレコムのホームページにてオンライン経由でスマホやプランを契約し、T Factoryで受け取るといった購入方法も可能だ。新規加入もしくは機種変更の場合は、5分以内で全ての手続きが完了する。セルフキオスク端末は英語表示も可能であり、韓国に住む外国人の利用も増えている。利用方法が分からない時はセルフキオスク端末の「スタッフ呼び出し」ボタンをタッチすると、24時間いつでもスタッフとテレビ電話がつながり、韓国語または英語で対応してくれる。

 韓国の通信事業者は、スマホの新機種が発売されると第1号契約者を盛大に迎えるイベントを実施する。コロナ禍において、その様子も様変わりした。SKテレコムは21年1月、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)の新スマホ「Galaxy S21」発売時に、第1号契約者がT Factoryを訪問し、1人でセルフキオスク端末を操作して、自動販売機からスマホを受け取る様子をアピールした。

 T Factoryには、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)など5G(第5世代移動通信システム)を活用したサービスを体験できるスペースや、植物に囲まれたカフェなども併設されている。そんなT Factoryは、Z世代(90年代後半から12年頃に生まれた世代)から50代まで幅広い顧客が利用し好評という。

趙 章恩(ITジャーナリスト)

 

<<NIKKEI X TECH>>

2021. 6.

-Original column

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01231/00035/

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