<ケーススタディ“韓流”IT TRY&ERROR>2.今回のテーマ■Wibro(中)
優遇料金制でWibroを普及 ライバルの参入で活気づくか
Wibroの主なユーザーはネットを活発に利用する大学生であることから、全国の大学をWibroの拠点にするための準備が始まっている。すでにソウルと首都圏の大学はほぼ全てのキャンパスのどこでもWibroが使え、釜山市でも大学を優先的にサービスエリアとしている。料金も学校内でのアクセスは月3000ウォン(約300円)と格安料金で提供する。
KTは、月約2000円で30GB分利用できる料金体系と月約1000円で1GBまで利用できるお手頃料金を提供し、モデムも無料提供、加入費も免除している。KTが提供しているブロードバンドや無線LAN、携帯電話サービスと同時に利用することで半額近く割引されるセット割引料金プランも設定されている。こうしたプロモーション料金体系のほかに月2800円ほどのKTのブロードバンド料金に月約800円を追加するだけで全国にアクセススポットがある無線LANとWibro(月1GB分)が使えるプランも人気がある。Wibroに新規加入し、2年契約にするとヒューレット・パッカードのノートPCが2万円ほど割引されるキャンペーンも実施中だ。Wibroシネマ料金プランというのもあり、Wibro料金に月260円ほど追加するだけで提携先の映画館で毎月1本映画を無料で観ることができる。
KTのWibroはノートパソコンにUSBモデムを差し込んで使うのが最もスタンダードな使い方だが、Wibroを搭載したサムスン電子やLG電子のスマートフォン、UMPC、携帯型の動画再生機PMP(ポータブル・マルチメディア・プレーヤー)、ナビゲーション機器からも使える。KTは2008年末までにはWibro搭載デジカメも発売し、写真や動画を撮ったらブログに転送できるパーソナルメディアとしての役割をもたせたいとしている。USBモデムはMP3プレーヤーとしても使える優れものが揃っている。
KTと同じくWibroの事業免許を持っているSKテレコムは、3GやHSDPAの普及に力を入れていたため、Wibroに積極的ではなかったが、今年度下半期からはWave2技術を導入して本腰を入れる。データ速度は上りが5.04Mbpsから10.08Mbpsに、下りは18.72Mbpsから37.44Mbpsに大きく改善されることで、HSDPAよりも優れたブロードバンドサービスになる。(趙 章恩●取材/文)