ユビキタスで健康管理 韓国初の試みが09年末から
2009年末に完成・入居予定のユビキタスシティ。その住民全員に、ユビキタス・ヘルスケアを提供する公共福祉サービスが開始されることになった。韓国初の試みである。ソウルから車で約1時間の距離にある坡州市交河新都市開発がその対象地域で、05年11月から489万坪の敷地に約100億円の事業費をかけて、ユビキタスシティの建設が始まっている。ユビキタス関連技術を利用して、「トータルライフケアシティ」「スマート交通シティ」「温かい福祉シティ」の3つのテーマを実現するのが目標で、自治体と大韓住宅公社、通信会社のKTなどが参加している。
ユビキタス・ヘルスケアは実証実験として一人暮らしの老人や離島を対象に行われたことがあるものの、一つの都市の入居者全員を対象に提供するのは初めてだ。坡州市のユビキタス・ヘルスケアは約8000世帯、21万8000人を対象に自治体の保健福祉サービスとして提供される予定で、市民の健康・運動・バイオ情報を随時測定し、個々の状態に適した健康管理情報を提供し、慢性疾患を事前に予防することで健康な都市を作るというもの。そのために遠隔体力測定、個人別の健康促進のための栄養・運動処方、住民用フィットネスセンターの運営、訪問看護サービス、専門医療スタッフからサービスを受けられるヘルスケアポータルサイト運営などが予定されている。KTは「事業検討を済ませ、すでにシステム設計を終えた段階」としており、09年末から10年の初めにはユビキタス環境で健康管理サービスを受けられることになる。
坡州市は韓国初のユビキタスシティ建設を記念するため、07年10月から未来都市を紹介するショールーム「ユビパーク」を運営している。15万坪の敷地に約23億円をかけて建設されたユビキタスシティが体験できるショールームで、世界最大規模のユビキタス体験空間として知られている。読みたい本をテーブルに置くと音声で読み上げてくれたり、バスルームの鏡に今日のニュースと気象情報が表示されたり、その日の気分によって色や柄を変えられる壁紙など家の中の変化や都市統合ネットワークによって住民の生活がどのように快適になるのかといったことが展示されている。(趙 章恩●取材/文)