<韓国リポート>世界初ネットで大統領を選ぼう! (過去記事)

今年は5年ごとにかえってくる、韓国最高の権力者である大統領選挙が行われる年である。新年早々、選挙に対する熱気がむんむん韓半島を覆っている。さすが世界一の「IT強国韓国」らしく、選挙はオンラインを巻き込んだ新しい試みと挑戦で、IT業界だけでなく社会全体が連日激論を繰り返している。

■世界初のインターネット投票


 特に今年の3月開かれる、与党民主党(http://www.minjoo.or.kr)の大統領候補選出では、世界初全国的規模のインターネット予備競選が実施される。オンライン投票は時と場所に制限されず、インターネットに接続し、ログイン等の引証過程を経て投票を認める方式だ。


 インターネット投票は去る2000年アメリカ民主党予備選挙当時、アリゾナ州だけで実施されたことがある。当時米アリゾナ予備選挙では、クリントン候補が選ばれたその前の予備選挙の時より投票率が約10%高くなった程、参加率が高い。今回の韓国のオンライン投票は世界の歴史を書き換える事件として、世界各国の注目を浴びている。


 投票終了後、直ちに結果を確認でき、選挙事務及び開票に掛かる人手と時間がぐっと減り、無効票及び開票是非を予防するとあって、投票を面倒がる若い有権者達の投票率が大きく上昇するするだろうと、期待されている。


■インターネット新聞もマスコミ(言論)なのか?


 オンラインだけで見られる新聞でありながら、TVでは見られない無削除版ニュースの現場の動画を見られるとあって、韓国のネティズン(ネット利用者)達に絶対的な人気を集めている「Oh My News」 (http://www.ohmynews.co.kr)が、選挙管理委員会と火花散る口論を繰り広げている。管理委員会は、「マスコミでないものが大統領候補との対談を申し込み、掲載することは事前選挙運動であり違法だ」と、一言でオンライン新聞はマスコミに該当しないと言い張った。だが、政府機関である文化観光部は「インターネットメディアもマスコミ」という有権解釈と共に、定期刊行物法に言論社の一分野としてオンライン新聞を含めなくてはならないと支持しはじめたから、国民は混乱し始めた。一体オンライン新聞はマスコミなのか、ただのコミュニティー掲示板なのか、韓国社会では今もっともホットな話題となっている。


■行き先は本当にばら色なのか


 インターネットを利用したサイバー選挙運動が当たり前のようにはなったが、まだまだそれ自体を不法と見る意見や、インターネット投票の問題点について心配の声も高い。ハッキング等保安と引証問題、特定候補支持者への集団投票造作可能性、秘密投票保障の困難、再検札の難しさなどが主な問題点として浮き上がっている。


 だが、オンラインバンキングや株のオンライントレードも自由自在のこの時代に不可能はなく、すでに公開鍵基盤構造(PKI)方式のインターネット投票専用保安・引証ソリューションを組み合わせ、完璧なシステムを構築しておいたので、その他の技術的な問題も難なく解決出来るだろうとIT業界の人々は楽観的に見ている。代理投票など不正選挙を防ぐために、パスワードや引証キーを郵便で送る方法や、指紋、目の虹彩など生体認識を利用した引証方式も検討されている。否定投票の可能性を100%遮るのは不可能であるが、今までのオフライン選挙の時とあまり変わらない数値だろうと見ている。


 ネティズンの力を味方に引きつけようとする新政治勢力と、このようなネット世界とは全く縁のなかった旧政治圏の対決は、益々激化している。2002年韓国のインターネット界は12月19日投票日まで1年間、終始炎々と燃え上がる溶鉱炉になるだろう。その理由は?韓国の全有権者の74%がネティズン、ネットユーザーだからだ。


by- 趙 章恩


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