<韓国リポート>ITワールドカップ、サッカーも経済効果も大成功 (過去記事)

5月、三星経済研究所がインターネット会員5690人を対象に実施したインターネットアンケート「ワールドカップ期間中一番重要なこと」で、50.4%が韓国代表チームの成績より「国家広報・イメージ向上」がもっと重要だと答えた。でも韓国の4700万の韓国国民が熱血サポーターになり、代表選手やヒディンク監督のストーカーになりかけているのが現実だ。韓国のIT業界も「ワールドカップ特需」のお陰でみんな大騒ぎ。一体何が起きているのだろうか。

◆地下鉄でもワールドカップ試合が見れる







 地下鉄移動放送企業のエムチューブは、ワールドカップ期間中文化放送(MBC)が生中継する46試合を同時に地下鉄の車両でも見れるようサービスしている。地下鉄3号線の車両48台中17台にLCDモニターが設置されており、試合のない時間帯には伝統文化シリーズと観光情報を英語と中国語字幕で放送する。地下鉄ワールドカップ移動放送はエムチューブとLG CNSが開発したリアルタイム移動放送システムを通じて、放送官制センターより無線LANで移動する列車の中にあるサーバーにデータを送る一種のIP-TV方式だ。


◆赤いTシャツとオンラインショッピング


 この頃韓国では赤い服さえ見れば興奮する「ワールドカップ症候群」が急激に増えている。公式サポーターである「レッドデビル(ブルグンアンマ)を象徴する赤いTシャツを着た人を見ると、訳もなく胸がどきどきする症状は老若男女構わず発生している。レッドデビルの赤いTシャツは、オンラインショッピングモールだけで約300万枚が売れ、オフラインのお店や露店での売上げは700万枚近く、とても把握しきれないと言う。レッドデビルの赤いTシャツだけで300億ウォン程の市場規模になっているとも言われる。


 ポータルサイトのダウムはこのTシャツを9800ウォンで販売、1ヶ月もしないうちに3万枚が売れ、2600万円の売上げを記録した。6月に入り一日平均1300枚も売れ、この勢いを生かしサッカー関連用品やスポーツ用品のオンライン販売を拡大する予定だ。他のサイトも5~6月のスポーツ、レジャー用品売上げは平均70%近く増えた。団体応援やワールドカップ関連イベントに家族単位で参加する人が増えたからだ。幼児用シートベルト、サングラス、景気観戦用双眼鏡、紫外線防止用化粧品、帽子等、野外活動に必要な商品の売上げも伸びている。オンラインショッピング業界は赤いTシャツを機に顧客を確保し、夏に向けアウトドアやレジャー用品の販売につなげていく計画だ。


◆太っ腹オンライン懸賞イベント


 ワールドカップ初の予選通過を記念し、オンラインでは数千億ウォン単位の景品が配られている。SKテレコムと三星電子は、自社携帯利用者1万人に韓国チームがゴールを入れる度に10万ウォンを、KTFは1万人にベスト16を記念し16万ウォンを、LG電子は4~5月にカラー携帯電話を買った顧客3万人にゴールを入れる度に1万ウォンずつ支払う。現代ホームショッピングでは、韓国が予選で勝つ度その日の購入者全員50%割引、LGホームショッピングでも勝つ度に160人に大型TVをプレゼントするイベントを開催し、利用者が2倍以上増えた。


◆勤務中韓国戦観覧、見るならみんなで一緒に







 「ワールドカップ福祉政策」も積極的に行われており、勤務中韓国戦観覧を許可する企業がほとんどだった。銀行やIT企業は赤いTシャツを着て勤務し、そのまま競技場へ向かったりもした。ワールドカップのためだけに大型TVを買ったり、レストランや劇場を貸しきり、全社員の団結の場に活用した企業も多い。アメリカ戦が行われた10日は90%以上の会社と学校が午前勤務、全国各地で街角応援のため雨の中200万人が集まった。14日のポルトガル戦では300万人に増え、市街、住宅街構わず赤いTシャツを着た人々が集まり明け方まで大騒ぎだった。ITベンチャー街であるテヘランバレーも、会社で応援した後、勝利を祝うため3万人近くが路上に集まり物凄い渋滞だったがみんな笑顔だった。


 これにより去る10日、電力需要も560万kW(-13.9%)減った。TV視聴のための需要は27万kW増えたが、工場稼動及びオフィス勤務の一時中断により産業用と一般用需要が各240万kW、350万kW減ったからだ。


◆ワールドカップ関連コミュニティは6月9日現在1万突破


 ワールドカップ関連オンラインコミュニティは6月9日現在、すでに1万以上、一日数十個ずつオープンされている。ダウムのユーザーなら誰でも作れるオンライン「カフェ」(同好会)でもワールドカップをキーワードにしたものは4700あまり、掲示板には一日5万件以上の書き込みが集まり韓国戦試合終了後一時サーバーがダウンする程だった。チャットサイトのセイクラブでも3000以上のワールドカップ同好会が生まれ、全ての掲示板やチャットがワールドカップの話しで埋め尽くされている。ヤフーコリアが去年オープンした「ワールドカップ特集」のページビューは一日平均100~200万からフランスとの評価戦以後900万を記録している。ワールドカップ掲示板には一日数万件の書き込みがあり、ポーランド戦のあった4日は午前中だけですでに3万件以上の書き込みが集まった。


<コミュニティサイト>


http://www.reddevil.or.kr/(公式サポーター)


http://www.i-soccer.co.kr/ 


http://www.worldcup.co.kr 


<ヒディンク監督ファンサイト>


http://www.2002hiddink.com/ 


http://www.commany.com/hiddink/


◆アバタの世界も同じ


 ポータルサイトやチャット、アバタ(仮想空間での分身)専用サイトでは次々に肖像権を利用した代表選手のアバタや赤いTシャツ、応援道具、国旗を売り出している。好きな選手のアバタを購入し自分のアバタと一緒にメールに添付したり、掲示板にレッドデビルの姿で登場したり、ワールドカップを思う存分楽しめる。


 セイクラブはアバタのワールドカップ応援アイテムの販売だけで一日1億ウォンの売上げを記録する等、アバタ関連サイト全体の5~6月売上げは20%程増えた。コミュニティーサイトのFreechalは赤いTシャツ、手拭、国旗の応援道具3点セットをアバタ利用者全員に無料でプレゼントした。初日だけで3万5千人以上がダウンロードし、掲示板やチャット部屋等アバタの登場するページはどこも真っ赤に染まった。


◆オンライン書店もワールドカップ


 インターネット書店「イエス24」によると、ワールドカップで小説等はあまり売れなくなったが、サッカー代表選手関連の本は飛ぶように売れ、全体の売上げは変わらないそうだ。特に代表チームのヒディンク監督のリーダーシップが新しい経営戦略として高く評価され始め、早くも関連本が出版されており、代表選手の自伝小説、写真集も相次いで出版された。「イエス24」の場合サッカー関連書71冊の中27冊に当たる38%が今年出刊されたものだった。去年4月出刊された「ヒディンクのリーダーシップ」という本は1年間たった30冊しか売れなかったのに、5月以降監督の人気と共に一日60~70冊は売れている。ポーランド戦直後は一日500冊以上も注文が入りベストセラーに仲間入りした。


by- 趙 章恩


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