<韓国リポート>ITワールドカップ、サッカーも経済効果も大成功 (過去記事)

◆モバイル・着メロ大人気

 携帯電話着メロもワールドカップ特需で売上げがぐんぐん伸びている。ヤッホーコミュニケーションの発表によるとワールドカップ応援歌メロディーは全部で13種類あり、5月以降1日平均5万件以上ダウンロードされているそうだ。この他の着メロサイトでもダウンロード順位5位までが応援歌となっており、韓国のベスト16入りと共にこの人気は当分続くと予想している。


◆ソフトウェアとオンラインゲーム、臨時休業


 ソフトウェア企業の半数以上が、ワールドカップが始まってから事実上営業・マーケティング活動を中断した。国全土がワールドカップで揺れる中、ソフトウェアには誰も興味を持たないからだ。社員の業務効率も落ちる一方で、一部の企業ではワールドカップ期間中、勤務時間を弾力的に運営したり、新製品も7月以降に延期している。主要顧客が10~20代のオンラインゲームやエンターテインメント関連サイトはコミュニティーサイトやワールドカップ応援で利用数者が30%近く減り、顧客対応時間が減った分下半期営業戦略のための会議時間に使っている。


◆政府も黙っていられない


 ワールドカップはIT強国「eコリア」を全世界に広告出来る絶好の機会と、政府機関は海外から集まった記者を対象にしたイベントを大々的に広げている。開催地都市別「ITテーマツアー」や「PCバン巡り」が一番人気で、ワールドカップ以降もツアーを継続する方針を検討中。情報通信部はワールドカップ期間中、外国人観光客用に韓国の情報通信施設を探訪出来るよう英文「IT韓国ガイド」を発刊した。空港やホテルで無料で配っており、カラー94ページの分量で韓国IT事情をIT韓国、インターネット韓国、モバイル韓国、デジタル韓国と4つの分野に分けて写真と統計を添え詳しく説明している。IT体験施設、インターネットサイトリンク集、PCバン案内等韓国だけの独特なIT文化を楽しめる方法も付け加えた。


 郵便局ではアバタを取り入れた「私だけのアバタ切手」も発行している。写真やアバタの画像を切手に作ってもらえるサービスだ。家電企業、放送局と一緒に「デジタル放送館」を運営し、選手団、大会関係者らが集まる空港とホテルにHDTVやを設置したりIMT2000携帯の貸し出し、デジタルTVとモバイル技術の優秀性もアピールしている。産業資源部は、駐韓外国企業と多国籍企業のアジア地域最高経営者を含めた外国企業関係者30人を25日ワールドカップ準決勝戦に招待した。ワールドカップを投資誘致のチャンスにするために、すでに5月開幕式に全世界の有名CEO50人を招請したこともある。今回は韓国でビジネスを広げている外国企業が対象となる。


◆一方、選挙は


 6月13日に行われた同時地方選挙は史上最悪の投票率48.9%を記録した。政治不信、投票したい候補がいない、関心がない等理由は色々だが、最大の原因はやっぱりワールドカップ。オンライン上のユーモア掲示板では、ヒディンク監督と代表選手達を選挙法違反の罪で「無期国家代表にさせるべき」との主張も登場する程、ワールドカップが国を揺るがしている。


 ワールドカップに気を取られ自分を知らせるチャンスがなかなかない候補者達はオンラインへ向かった。80%以上の候補者がホームページを制作し、検索サイトに登録した。また、地域別にプロサッカーチームを創設し支援するだの、自治区ごとに競技場を作るだのサッカーに絡んだ公約も主張した。政治家のインターネット活用はもうホームページ制作だけでなく、インターネットマーケティングへと一段階進化している。


 開票も「電子開票機」が導入され、投票紙スキャニング技術で投票用紙分類と開票作業を完全自動化した。電子開票システムは投票紙処理速度が1時間当たり約1万3200枚。手作業とは比べものにならない。16の広域市では259の地方選挙管理委員会と279の開票所を専用線とインターネット網で結んだVPN(仮想私設網)ソリューションを活かし、集計結果をリアルタイムで発表した。韓国選挙史上投票結果を自動集計処理したのは今回が初めてで、電子投票及び電子政府システム具現のための一歩として評価されている。投票終了後2~3時間で選挙当落の輪郭がほとんど表れた。技術的に投票結果をリアルタイムで集計するシステムはそう難しいものではなかったが、投票結果を伝える全過程の保安性を確保するのが集計システムの前提条件として指摘されて来た。今回の電子開票・集計ともに完璧ではなかったが成功的で、今年の12月に行われる大統領選挙でもこのシステムが使われる予定だ。


◆ポスト・ワールドカップ


 現代経済研究院は先日韓国のワールドカップ経済的效果は18兆240億ウォン(推定)に及ぶと言う報告書を発表した。韓国のワールドカップ組織委員会が予測した8兆8000億ウォンを遥かに超えるこの数字は、韓国がワールドカップ出場48年ぶりにベスト16に進出したため。国民1人当り平均1日消費額規模が1兆5040億ウォン、国家のブランドイメージ上昇による広報效果が1兆7600億ウォン、企業イメージ上昇による韓国産製品の輸出競争力アップによる間接效果が14兆7600億ウォンと推定している。ベスト8に入ったため、この数字はさらに30兆ウォンに昇ると予想している。


 韓国の国家イメージと韓国企業のブランドイメージが一層高まる「ワールドカップ效果」がすでに表れているのがIT業界。「ITワールドカップ」の主役である企業に全世界から事業協力を提案する「ラブコール」が続き、国際信用評価機関と海外マスコミもワールドカップをきっかけに第2の跳躍を夢見る韓国経済と企業にいい点数をつけている。三星電子は最近アメリカ経済週刊誌ビジネスウィークが選定したIT100代企業の中、堂々と1位にランクされた。KTFは4位、SKテレコムは去年160位から一気に9位まで跳躍した。三星電子は「ビジネスウィークの発表で韓国がデジタル・IT強国であることが立証された」とし、今後海外マーケティングをより強める方針だ。


 ワールドカップでヒートアップされたオンラインでも、この勢いでショッピングや有料ゲーム等消費は当分続きそうだ。



by- 趙 章恩


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