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韓国クーパンが日本進出へ AIフル活用で物流革新のスゴさ=趙章恩
韓国ネット通販大手のクーパンが今年6月から、日本でテスト事業を始めている。クーパンは商品を注文後、遅くとも翌日には届く「ロケット配送」のサービスで韓国で急成長し、ソフトバンクグループ(SBG)のファンドからの出資も受け、今年3月には米ニューヨーク証券取引所にも上場した。初の海外進出国として選んだ日本で今後、EC(電子商取引)に旋風を巻き起こす可能性もある。
クーパンは6月1日から東京都品川区中延地区限定で生鮮食品と生活用品、約320種類の通販テスト事業を始めた。注文が入ると、デリバリーサービスのようにアプリで集めた配達員が短時間で配達する。午前9時から午後11時まで利用でき、手数料は1件当たり200円。クーパンは今年4月、シンガポールにも現地法人を設立したが、海外でサービスを行うのは日本が初めてとなる。
韓国で2014年に始まったロケット配送は、午前9時までに注文するとその日の午後までに、夕方注文すると翌日までに商品が届くサービスで、生鮮食品は午前0時までに注文すれば翌朝午前7時までに届ける。一度に1万9800ウォン(約2000円)以上(食品は1万5000ウォン以上)を注文するか、月2900ウォンの有料会員「ロケットワウ」に加入すると利用できる。
昨年10~12月にクーパンで買い物をした人は1485万人にのぼり、人口の3分の1に当たる。韓国統計庁の「20年eコマース市場シェア」によると、クーパンの年間取引額は22兆ウォン(約2兆2000億円)と市場シェアで2位(13%)を占め、トップのNAVER(年間取引額28兆ウォン、市場シェア18%)を猛追する。韓国では、クーパンは近所のスーパーのように気軽に利用できるサービスとして定着している。
SBGの投資が支え
クーパン創業者の韓国系米国人キム・ボムソク氏が言うように、ロケット配送の競争力はAI(人工知能)にある。クーパンがAIにより売れ筋商品を分析して直接仕入れ、全国に170近くある物流センターに配置。注文が入ると最も近い物流センターから自社の配送員が届けること…
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趙 章恩=(ITジャーナリスト)
週刊エコノミスト
2021. 7.
-Original column
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20210713/se1/00m/020/055000c