毎年、回を重ねるごとに訪問者数の記録を更新している「G★(STAR)」。
ゲームブースごとにコンパニオンのコスプレ合戦が火花を散らしすぎたことから「G Star」ではなく「Girl Star」とまで呼ばれたこともあったが、2008年は何よりもレジャーとしてゲームを楽しみ、実際触って(プレイして)体験することに重点を置く方針が決まった。ブースごとにコンパニオンの数が制限され、社員総出でゲームを紹介したり、プレゼントを配ったり、逆に参観者らには好感のもてるおもてなしとなったようだ。
韓国のゲーム業界が一堂に会するG★の中でも最も観客が集まっていたのがNEXON。開場と同時にNEXONブースを目指して一目散に走っていく来場者の姿が見られたほど。毎年未公開の新作をG★で発表してきたせいか、今年も大変な注目を浴びていた。NEXONはラインアップの充実化を図っているようで、直感的に楽しめるアクションゲームからキャラクター育成の要素をもつタイプのものやソーシャルネットワーキングのような生活密着型まで、頭を悩ますことなく楽しめるゲームを多数投入していた。
今回、NEXONがG★で公開した2009年商用化予定の新作は大きく5種類。日本でも有名な人気ゲーム「メイプルストーリー」を開発したウィゼットスタジオの新作「カバティナストーリー」は3DアドベンチャーアクションRPG。
様々なパズル的な要素をもつゲームで、他のプレイヤーと力を合わせてモンスター討伐を行うストーリーで、2009年3月公開を目指している。
また、G★2008で初めてその正体が明かされた「NEXONビョル(ビョルは星)」は、社会、経済、文化など日常の中の多様なシチュエーションをオンライン仮想世界の中で体験する生活型ソーシャルネットワーキングゲーム。
そして、国民的ゲームにまでなったレーシングゲーム「カートライダー」の空中飛行バージョン「エアーライダー」にも注目したい。
人気キャラクターはそのままに、空を飛びながら派手なアイテムで相手を攻撃しスピードを競い合うダイナミックなゲーム性は、単純にみえても一度プレイしたらはまってしまうこと間違いなし!
プレイ方法も至ってシンプルで、短時間の勝負を好む韓国人ゲーマーにはぴったりのカジュアルゲームに仕上がっている。
「エバープラネット」は2009年上半期公開予定の新作で、3DカジュアルMMORPG。小さく丸い星が集まった童話のような世界観のもとに冒険が始まる。
星を破壊しようとする勢力から世界を守るべく任務を与えられたプレーヤーは、様々な星を行き来しながら自分の星を守り、育てるためのミッションを課される。
鮮やに彩られる星の世界と個性豊かなキャラクター、多様な職業が特徴で、ダイナミックな戦闘がポイントだ。
キャラクター(ジョブ)は弓手、法師、戦士の3種類が用意されており、メイプルストーリーを連想させる愛らしいキャラクターや、ボールの上を歩くような浮遊感が評判のようだ。
「ドラゴンネスト」は、アクションMORPGやアクション好きに注目を集めた大作で、2009年上半期公開予定。
快適なゲーム環境と密度あるアクションを求め、多人数が同時にアクセスするMMORPGではなく、最大4人でパーティーを構成するMORPGの形式がとられている。
本作は既にゲームブロガーの間でも話題になっており、指先で生き生きとはじける躍動的なアクションと打撃感により、スリルある次世代アクションRPGと評価されている。
グラフィックのレベルが非常に高く、モンスターに殴打された際のモーションなどのリアル感・再現性が印象的であった。
キーボードとマウスの両方を使ってコントロールする為、ショートカットキーを駆使せねば攻撃に出遅れてしまう点では、ある程度RPGに慣れているプレイヤー向けといえる。
NEXONといえばマビノギというほどの人気タイトルの続編として、G★2007で公開されてからクローズドベータテスト中の「マビノギ英雄伝」も展示された。G★2007で公開されたものとはまた異なるストーリーが追加されている点に注目だ。元祖「マビノギ」のストーリーを受け継いでいるとはいえ、マビノギの平和な世界とはうって違って、モンスターの血しぶきが飛び交うアクションや、NEXONの社内テストで最も好評だったとされている「決戦協同クエスト」はぜひ日本のゲーマーにも体験してもらいたい。
個人的に最も気に入ったのが「ハスキーエキスプレス」。
2009年に公開予定の新作カジュアルオンラインRPGだ。
犬ソリをテーマにしたレーシングゲームでありながら、犬を育てる育成ゲームの要素も盛り込まれている。犬と共にに雪の中を探検し冒険しながら、犬を最高のソリ犬に育て、犬ソリチームを強化していくという斬新なストーリー。
雪の中を走る際に体温を保つ為のラジエーターがプレイ上の重要アイテムとなっており、これを購入するために用意された「貿易」の要素が目新しい。
つい画面を撫でたくなるほどに犬のグラフィックがカワイイため、か、「ハスキーエキスプレス」は特にデートがてらに来場した若いカップル達の注目を集めていたようだ。
次にご紹介するのはNCSOFT。
こちらのブースでは、既に公開中の「アイオン(AION)」と、全身を動かすダンスゲーム「ラブビート」の2作品が展示された。
「ラブビート」はインターネットで応募した一般ユーザーを対象に、ブースに用意された特設ステージでバトルを開催!
また、本作は女性向けダンスゲームなだけあって、セクシーなコンパニオン(お姉さん)ではなくイケメンの男性スタッフが1対1でプレイ方法を教えていたのが印象的。そのせいか、NCSOFTのブースはどこよりも女性客の割合が高かったようだ。
新作の展示がなくてもNCSOFTの存在感は依然として強烈で、「アイオン」はG★2008期間中に同時接続数20万人を突破したとのことである。
「アイオン」は、そのサウンドトラック(ゲーム音楽)が販売1位になったという異色な記録を持っている。
日本でも活躍している韓国系音楽家ヤンバンオン氏に依頼し、音楽だけで3年間をかけて製作したとのことからも、その力の入れようがうかがい知れる。
「リネージュ」の栄光を引き継ぐ大作はもう出ないのではないか?と心配されていたNCSOFTだが、「アイオン」なら「リネージュ」の壁を越えられるかもしれないと、一般ユーザーからの期待も高い。
今年のG★では、出展ゲーム中11作が未公開の新作ゲームであったことから、ゲーマーの興奮度もヒートアップ! 1人あたりの試遊時間を制限しても行列は減らず、どのブースも人、人、人!
韓国のゲーム展示会では、「見るだけ」「写真撮るだけ」という来場者は非常に少なく、子供から大人まで皆がイベントに参加し、ゲームをプレイし、ブーススタッフに質問をする等、展示会というよりもテーマパークに遊びに来ているような感覚が日本のイベントと異なる点と言える。
なお、NEXONやNCSOFTの他にも、CJインターネットやHANBIT、NHNなど、まだまだ大手のブースは続く。
次回は妖精コスプレで賑わった「CJインターネット」と超大作ゲームで2009年を狙う「HANBIT」を紹介しよう。
By.趙章恩
Original report (@niftyゲーム)