2011年8月25日、ソウル市2号線ソンルン駅に面白いスーパーマーケットが登場した。「Homeplus Smart Virtual Store」と呼ばれるもので、駅中の壁やスクリーンドア(電車とホームの間にあるドア)に、スーパーマーケットの棚を写真で撮った大型ポスターが貼られてある。商品の写真の脇にQRコードがあって、これにスマートフォンをかざしてショッピングするというもので、英国Tescoが韓国で営業する大型スーパーマーケット「Homeplus」が提供している。
スマートフォンに専用のアプリをインストールしてから、ポスターのQRコードへかざすと、スーパーマーケットのネットショッピングにつながり、そこで住所を入力して決済すると自宅に商品を届けてくれる。スーパーでかごに商品をあれこれ入れてからレジへ向かうように、QRコードを50個まで連続してかざしてから、まとめて決済することもできる。午後1時まで注文すれば、その日のうちに届く。商品は自宅から最も近いHomeplusから配送されるので、新鮮食品の注文も安心できるし、配送時間も細かく設定できる。
ソンルン駅に“陳列”された、というかポスターで登場した商品は飲料水や食品、文具、レジャー用品など470種類ほどである。ターゲットは買い物に行く時間がない会社員で、朝出勤しながら地下鉄内のQRコードで夕飯の買い物を済ませれば、自宅に着く頃には食材が届いているのでとても便利である。
Homeplusの説明によると、QRコードで買い物できる商品は3万5000点あるという。Homeplusはモバイルショッピング、モバイルクーポンサービスにも積極的で、スマートフォンからスマートフォンへモバイル商品券をプレゼントできるサービスも提供する。以前のモバイル商品券は決まった商品と交換する、または1回で全部の金額を使い切らないといけないのが不便だった。しかしHomeplusのモバイル商品券は、画面にバーコードを表示させるだけで残高分があれば繰り返し買い物ができるので便利である。
地下鉄でのQRコードショッピングは今まで何度か実証実験として提供されたことはあるが、商用化されたのはこれが初めてだ。