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e-Learning Korea 2012 開幕式。中央にサイバー大学学生代表とスマート教室の模擬授業をしてくれたソウォン小学校の児童
3D教材。紙の本を開くと、電子黒板に3Dの動物が登場する。動物は動き、触れると反応する
韓国最大手キャリアのKTが展示したKibotという幼児・小学生向け教育ロボット。子供とロボットが一緒に英語で歌って踊るコンテンツを提供しており、親が選んでダウンロードする。防犯カメラ、ボタン一つで保護者の携帯電話にテレビ電話をかける機能もある
KTは教育コンテンツサービスに力を入れていて、スマートホームという主婦向けタブレット端末から利用できる英語教育アプリのラインアップを強化している。主婦にタブレット端末なんていらない、というお母さんたちに、子どもの教育のためにもタブレットは必要であると宣伝する
2012年9月12日から14日まで、ソウル市COEX展示場で開催された「e-Learning Korea 2012」。韓国のデジタル教科書やスマート教育環境を一通り体験できる展示会であり、海外からの参観者も多い。7回目を迎える2012年は「Smart Learning, Smart Future!」をキャッチフレーズに、教育関連省庁からベンチャー企業に至るまで、8か国から90社が参加した。同イベントの模様を、2回に分けて紹介する。
◆韓国政府が注力するスマートラーニング
この展示会は、韓国の教育政策を担当する省庁の教育科学部、コンテンツ産業政策を担当する文化体育観光部、eラーニング産業政策を担当する知識経済部の3つの省庁が共同主催している。それほど韓国政府が力を入れている分野が、教育とICTの融合、スマートラーニングといえる。
会場に設置された250のブースには「スマート教室」「スマートホーム」「3D教材」「学習アプリ」「Eトレーニング」などが展示してあり、昨年以上に「3D」や「クラウドコンピューティング環境」「拡張現実(AR)」「恊働学習(SNS活用)」を強調した展示が多く、大人が見ても楽しくなる教材や端末が勢揃いだ。
政府省庁の展示も気合が入っていた。「Smart School」「Smart Home」「Smart Work」の3つをテーマに、学校と家庭の教育環境がどのようにスマートになっているのか、先生の業務はどのようにスマートになっているのかを動画で紹介しながら、実際に学校で使われている各種サイトを体験できるようにしていた。
◆保護者が学校の勉強を把握
家庭ではスマートフォンとスマートTVから子どもの登下校情報を確認し、学校からの連絡事項もすべてモバイルで対応する。子ども達が授業中SNSに宿題や発表資料を登録すると、保護者はそれをリアルタイムで確認できるので、学校でどんな勉強しているのかも把握できる。
また工業高校や実業高校で使っているシミュレーション「Eトレーニング」も各種展示してあって、興味深かった。高校生らが授業で学んだものを生かして、製造現場での研修前に、オンラインゲームのような装置を使って工場の機械作動を一通り体験し、身につけるため、生徒が怪我をしたり、事故が発生したり、といったこともかなり減ったという。
◆3Dになった電子黒板、拡張現実(AR)教材も活用
電子黒板は今やほとんどが3Dになっていた。拡張現実(AR)の教材も多く、電子黒板を見ると私の隣に、いないはずの熊が立っていたりして驚いた。実際の授業では、動物、化石、建築物を理解するために使われているという。
本を開くと特殊なコードをカメラが認識して、電子黒板に3Dの動物が登場。餌が描いてあるカードを動物に近づけると、動物がパクっと食べたり、棒が描いてあるカードでつつくと反応したりするのも面白かった。去年までは、3Dといっても停止した状態だったが、今年は動くデモが多く、とても新鮮だった。