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3月の初め、ポータルサイトの検索キーワード・ランキング1位に「日本マイナンバー」が登場した。韓国の新聞やテレビが「日本が韓国の住民登録番号のような番号制度を導入しようとしている」と報道したことから、「日本のマイナンバー制度とは何か」と検索する人が急増した。
韓国人が日本のマイナンバー制度に関心を持つのは、韓国では今「住民登録番号制度」を再検討すべきだという議論が熱くなっているからだ。日本のマイナンバーに関する記事のコメント欄には、様々な意見が並んだ。
「社会保障や行政サービスを効率よく提供するためには、番号で個人を識別する必要がある。行政機関だけが使う番号であれば問題ない」
「韓国も日本のように、社会保障にだけ個人の識別番号を使うべきだ」
「国民総背番号制度だなんて、地獄へようこそ!」
「これで日本人も中国ハッカーに狙われる」
「個人の番号があれば徴兵もしやすくなる。日本には、軍事的目的があるのではないか」
3500万人分の住民登録番号が盗まれる
韓国で2011年7月、中国のハッカーが大量の住民登録番号を盗み出す事件が発生した。人口5000万人の韓国で、全国民の7割に近い3500万人の個人情報を盗まれるという大事件だった。
中国のハッカーは、SKコミュニケーションズが運営する韓国の大手ポータルサイト「NATE」と、同社が運営するSNS「Cyworld」をハックし、3495万4887人分の会員ID、パスワード、氏名、電話番号、住所などの個人情報を盗んだ。この中に住民登録番号も含まれていた。
この事件の被害者らが集まり、個人情報の管理をしっかりしていなかったサイトの責任を問う裁判を起こして勝訴した。裁判所は2013年2月15日、NATEとCyworldの責任を認めて被害者1人当たり日本円で2万円ほどの賠償金を支払うように命じた。SKコミュニケーションズは控訴した。
被害者らはさらに2月28日、憲法を改訂するよう憲法裁判所に求める訴訟を起こした。盗まれた住民登録番号がなりすましや詐欺などの犯罪に使われる危険性がある。にもかかわらず、憲法は、これを理由に住民登録番号を変更することを認めていないからだ。
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By 趙 章恩
2013年3月6
-Original column
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100818/215834/