スマホアクセサリー好きな韓国人は1人当たり年間3800円を支出 「GALAXY S4」発売でますます活性化する市場 [2013年5月7日]

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 韓国の通信キャリアKTが調べたところ、韓国のスマートフォン利用者はスマホのアクセサリー購入費用として、2012年の1年間で1人当たり平均4万1700ウォン(約3800円)を支出したことが分かった。2010年に2445億ウォン(約222億円)だったスマホアクセサリー市場の規模は、2013年に1兆6776億ウォン(約1530億円)まで成長する見込みである。


 携帯電話にストラップをたくさん付けるのは韓国の女性もよくやっていた。脂ぎった液晶画面をふき取るシートが付いたストラップを景品として配るのが流行った時期もあった。端末よりも大きくて重いぬいぐるみのストラップも屋台でよく見かけたものだ。「電磁波の影響を減らしてくれる」という触れ込みの「24金シール」を端末に貼るのが流行ったこともある。


iPhone発売からブーム始まる


 携帯電話の外側を飾るアクセサリーという意味では、iPhoneが発売された2009年11月以降ブームが始まったようだ。24カ月の契約期間が終わるまでスマホが故障しないように、本体を衝撃から守るためにシリコンのケースに入れる、傷が付かないよう液晶と後面に保護フィルムを貼る、といった実用アクセサリーから普及し始めた。


 韓国で最もよく売れるスマホ用のアクセサリーはケースである。サムスン電子のGALAXY Sシリーズが登場してから、スマホのカバーも100円ぐらいで買えるものから数万円のオーダーメイド革製のものまで、バラエティー豊かになった。


 韓国では、スマホの後面にはめるシリコン素材のカバーよりも、「フリップカバー」といって、スマートフォンを差し込んで使うカード財布のようなカバーの方が人気だ。









韓国におけるスマホアクセサリー一番人気の「フリップカバー」。カード財布状のものにスマホを差し込んで使う




「おサイフケータイ」っぽくするアクセサリーも人気


 日本では携帯電話・スマホ端末内のチップに決済機能を搭載した「おサイフケータイ」が普及している(関連記事:定番スマホの最新機種が登場!大画面・おサイフ対応に「GALAXY S III SC-06D」)。一方、韓国ではフリップカバーにクレジットカードを差し込んでおサイフケータイっぽく使う人の方が断然多い。


 クレジットカードがあれば後払いで地下鉄・バス・タクシーすべての交通手段を利用できて、コンビニエンスストアで少額決済もできるからだ。韓国はクレジットカード社会なので、どんなに小さな食堂や小売店でもカード決済に対応している(クレジットカードを使わせることで脱税防止の効果を狙っているとか)。


 スマホとクレジットカードを一体化した「おサイフケータイ」はまだ加盟店が少なくてほとんど利用できないが、フリップケースにカードを差し込んでおけばどこでも決済できる。未成年者はプリペイド式のカードをフリップカバーに差し込んで使う。


GALAXY S4発売を契機にフリップカバーの新製品続々


 上述のKT調査によると、主に購入するアクセサリーの平均価格は、スマホケース約2万3000ウォン(約2100円)、液晶保護フィルム約1万1000ウォン(990円)だった。スマートフォンを機種変更するまでの24カ月間に、ケースは2.4回、フィルムは2.5回購入している。男性より女性の方が、ケース買い替え回数が多かった。


 2013年4月末のGALAXY S4の発売(関連記事)を機に、斬新なフリップカバーが次々に発売されているので、買い替え需要がどっと増えそうだ。


 GALAXY S4専用のフリップカバー「Sビュー」は、フリップを閉じると液晶が暗くなってフリップの透明な穴から時計を確認できる。フリップを開けると自動的に液晶が明るくなる機能もある。以前はフリップが液晶の上にパタッとのっているで、フリップを開けて液晶をタッチして時計を確認する手間がかかっていた。

















GALAXY S4用のフリップカバー「Sビュー」。透明の窓が付いている。

 


Sビューはなんと5万9000ウォンもするが、キャリアのKTとSKテレコムは、GALAXYS4を予約購入したユーザーに無料でプレゼントした。



成長余地大きいアクセサリー市場


 GALAXY S4専用のアクセサリーとしては、この他にもGALAXY S4の液晶、後面、側面をすべて丸ごとカバーできる保護フィルムや、保護フィルムより傷に強いという液晶の上にはめる液晶保護ガラスなども登場した。スポーツの際にスマホを腕に巻けるアームバンドや、ヘルスケアのための体重計や心拍数測定機なども専用アクセサリーとして発売されている。


 日本でよく見かけるスマホのピアス(イヤーキャップ)は、韓国でもキャラクターグッズやK-POPアイドルグッズとして注目のアイテムである。ただし、スマホでTV・動画視聴、音楽を利用する人がとても多いせいか、スマホにいつもイヤホンを差しっぱなしにしている人が多く、ピアスの出番があまりない。スマホの使い方によって売れるアクセサリーも変わってくる。


 韓国のスマートフォンユーザーは既に3500万人を超えており、2013年末には4000万人と、人口の8割を超える見込みである。KTは、2013年スマホのカバーは4600万個以上売れると見込んでいる。スマートフォン市場自体が成熟しつつある一方で、スマホアクセサリー市場はまだまだ成長の余地が大きい、ホットなビジネスであるようだ。





趙 章恩=(ITジャーナリスト)

日経パソコン
 

-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20130506/1089182/

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