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LGエレクトロニクスが製造し、Googleが販売する「Nexus 5」が2013年11月22日、ついに韓国でも発売された。キャリア(通信会社)のKTとSKテレコムが扱っており、発売前から「ハイエンドなのに値段はGALAXYシリーズの半額以下」と話題騒然。このNexus 5を巡って、KTとSKテレコムの割引競争がすごいことになってきた。
韓国では、Nexus 5をGoogleサイトで買うと約4万6000万円(16GB)、キャリアの代理店で買うと約3万8000円になる。定価で買ってもGALAXYシリーズの半額以下だが、キャリアの割引制度を利用すると、最安値で1万円程度になる。KTが独占していた「iPhone」をSKテレコムでも販売するようになってから、KTとSKテレコムは各種割引制度でユーザー獲得競争を繰り広げている。
そして今度は、Nexus 5をどっちがたくさん売るかの競争になった。「iPhone 5s」も「GALAXY Note 3」も、爆発的に売れたといえるほどではなかったので、KTとSKテレコムは値段の安いNexus 5で年末商戦を盛り上げようとしている。
買い取りと割引制度の併用で1万円にも
今のところはKTの方が、割引種類が多い。NTTドコモの「プレミアムクラブ」のように、KTの利用金額に応じてもらえる「星」という名前のポイントによって端末価格を割引する。さらに、KTと提携しているクレジットカードに加入すると端末価格から約1万5000円を割引する。割引した分は提携クレジットカード使用金額に応じて貯まるポイントで毎月返す構造になっている。
キャリアの提携クレジットカードを既に持っている場合は、貯まったポイント分だけ端末価格が安くなる。複数のクレジットカードのポイントを合計して割引してくれるのはありがたい。使っていたスマートフォンの端末も最大約1万4000円で買い取ってくれるので、割引制度をうまく組み合わせると、Nexus 5を1万円程度で購入できる。KTは予約購入特典として、Nexus 5用の補助バッテリーとスマホ用16GBのUSBメモリーを付けている。
韓国の場合、代理店独自の割引制度もあるため、最安値でスマホを買うには代理店を回って最も安くしてくれるところを探すのが一番だ。全国どの代理店で買っても同じ価格なのはiPhoneぐらいである。韓国産メーカーの端末は、キャリアとメーカーの両方から代理店へ端末購入補助金が出るので、補助金分だけもっと安くする代理店もあれば定価で販売する代理店もあり、価格が違う。
そのせいか韓国はスマホを今どこで最も安く売っているかの情報を共有する掲示板サイトがとても多い。韓国政府は、代理店ごとに値段が違う原因となっている端末購入補助金制度を見直そうとしている。
最近はMVNO(仮想移動体通信事業者)も最新機種のスマホを販売しているので、2年の約定で加入した場合はキャリアとMVNOのどちらが安いかを計算しないといけない。
Nexus 5はMVNOのCJハローモバイルも販売している。2年で約定すると端末価格は約2万8000万円とキャリアよりは高いが、通信費はKTとSKテレコムより30%ほど安いので、2年間の料金を比較するとMVNOからNexus 5を購入するのも悪くない。
韓国では平均2.27歳からスマホを活用
韓国のスマホ利用率は13年末の国民の8割を突破すると見込まれているほど、いまや携帯電話=スマホの時代になった。
「韓国の子供は平均的に2.27歳で初めてスマホを利用する」というアンケート調査の結果が話題になったことがある。韓国青少年政策研究院が13年10月に0~5歳の子供がいる保護者1000人を対象に調べたところ、初めてスマホを利用した年齢は3歳の26.4%で、1歳は23.6%だった。また0~5歳の1日あたりのスマホ利用時間は36.7%が30~40分と答えた。
幼児にスマホを使わせる理由としては、70.9%が「子供がほしがるから」、12.5%が「周りの子供との共感態形成のため(つまり、みんなが使っているから)」、6.1%が「特に理由はない」と答えた。幼児が主に利用するアプリは「漫画」が30.5%で「ゲーム」が26%、「音楽」13.1%、「教育コンテンツ」12.1%、「カメラ・写真」11.7%の順だった。
韓国ではビジネス用とプライベート用にスマホを2台使うビジネスマンも多いので、子供に取られてもいいスマホとしてNexus 5を買うのもアリかもしれない。
趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
-Original column
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20131122/1112943/