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米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が1月30日、韓国に関する面白い記事を掲載した。タイトルは「韓国のデートは南北分断も超える」。北朝鮮から逃げてきた脱北女性と韓国男性との結婚が増えているという内容だった。
WSJは脱北女性が韓国の結婚相談所を通じて韓国の男性と出会い、結婚したストーリーを紹介している。この脱北女性は、夫の助けを得て韓国での生活に慣れ、定着することができたという。結婚後は、南北で言葉遣いが違う(方言がある)ため苦労したが、脱北した時の苦労に比べれば結婚後の苦労はなんともないのだとか。
WSJは、脱北女性専用の結婚相談所が新しいニッチマーケットになっていると紹介している。成婚に至るケースもかなり増えたそうだ。実際に検索サイトや電話帳を見てみると、脱北女性専用の結婚相談所が10社以上登録してあった。
韓国では朝鮮時代後期から「南男北女」という言葉が伝えられている。男性は南出身の方が頭が良い。女性は北出身の方が美人で気立てがいいという意味だ。男性については、朝鮮時代の政治家や軍人の多くが南地方の出身だったため、こう言われるそうだ。女性については、日本に秋田美人がいるように、北の地名を冠した「咸興美人」「江界美人」がいる。北に行くほど晴れた日が少なく、女性が色白でほっそりしていたからだとか。南男北女のイメージがあるので、「北朝鮮の女性と結婚したい」と結婚相談所にやってくる韓国人男性が増えてきたようだ。
北朝鮮では女性が男性より60万人多い
しかし最近の南男北女は、もう1つの意味を持つ。南は男が多く、北は女が多いという意味の南男北女だ。韓国統計庁によると、2013年の人口は韓国が5000万人、北朝鮮が2442万人と韓国の方が2倍近い。男女の性比を見ると、韓国は男性が女性より7.5万人多く、北朝鮮では女性が男性より60.4万人も多かった。
韓国では性別生み分けまでして男の子を産みたがる傾向が強い。老後の面倒を見てくれる跡継ぎ長男を産まなければならないと、考える人がいまだに少なくない。農村や漁村には独身男性があふれ、ベトナムや中央アジアにまで行ってお見合いをするほどだ。最近はだいぶ変化し、娘を産みたいという親も増えた。しかし、周りが放っておかない場合もある。
一方、北朝鮮は、過酷な労働や軍隊での事故で亡くなる男性が多いという。韓国のメディアによると、北朝鮮の男性は外貨稼ぎのためシベリアの伐木現場や海外の建設現場に強制的に送り込まれ事故死する人が多いので、北朝鮮には女性しか残らないという。
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