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韓国にも日本にも、独自の不動産賃貸制度がある。韓国人が驚く日本独特の不動産賃貸制度は礼金だけでない。家賃のほかにクリーニング代という項目がある場合があること、火災保険を借り手が負担する場合があること。さらに、不動産管理会社に対する手数料を借り手が払わなければならないことにも驚く。韓国では貸す人と借りる人が折半している。保証人がいても家賃保証会社を利用しなければならない場合があることも驚きだ。
韓国には独自の不動産賃貸制度「チョンセ」がある。借り手は、まとまったお金を保証金として大家に預ける。家賃を毎月払う必要はない。そして、出ていくときに保証金をそのまま返してもらう。貸し手は、この間に入る金利が収入になる。
このチョンセが韓国の金融をだめにするとIMFが警告した。2月11日付の朝鮮日報によると、「チョンセが金融会社の負担になる可能性が高いので韓国政府は注意すべき」と警告する内容の報告書をIMFが韓国政府に渡したそうだ。
韓国では最近、銀行の金利が低いことを理由にチョンセの保証金が値上がりしている。2010年まで定期預金の金利は年4%前後だったので、チョンセの保証金を定期預金にすれば家賃相当の金利が得られた。だが、今は定期預金の金利が年2%程度になってしまった。そのため家を貸す人はチョンセの保証金を値上げする。
不動産市場調査会社、不動産114が公表しているデータによると、ソウル市内の場合2008年まで、チョンセ保証金は住宅価格の4割程度だった。これが2014年2月には住宅価格の8~9割にまで上がっている。チョンセ保証金が高くなった分、借り手は銀行から借金をして保証金を支払うようになっている。
しかし、一部の地域では不動産価格が下落し、マンション価格がそれまでのチョンセ保証金の額を下回ってしまった。通常、貸し手は次の借り手を見つけてチョンセ保証金を受け取り、それを出ていく人に渡す。現在の市況では、貸し手は次の借り手を見つけても、前に住んでいた人から受け取ったほどの保証金をもらえない。したがって貸し手は、借金をして保証金を返さなければならない事態が発生している。すぐ借金できればいいが、うまくいかない場合もある。貸し手から保証金を返してもらえないと借り手は大きな打撃を受ける。
マンション価格の低下がIMF警告の背景
金利が低下すれば、住宅ローンを組んでマイホームを買う人が増えるかと思ったら、マンションの売買は冷え込んだままである。この先もっと不動産価格が下落すると見込んでいるのだろうか。マンションを買わず、高くてもチョンセで住み続けたいと願う人の方が多い。
韓国では、一戸建てよりマンションの方が人気が高い。4人家族が4LDKのマンションに住むのが平均的なイメージだ。マンションの方が暖かく、手入れしやすくて住みやすいというのが理由になっている。
しかし現在、高齢化・少子化により広いマンションは買い手が見つからず、不動産価格が下落し始めている。韓国統計庁によると、2010年時点で、1人暮らし世帯が最も多くなっている。その割合は1人世帯が24.4%、2人世帯が22.3%、3人世帯が22.5%、4人世帯が23.1%という具合だ。1990年時点では4人世帯が最も多かった。
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