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日本にも進出した韓国内シェア1位のメッセンジャーアプリ「KakaoTalk」を提供する韓国カカオと、韓国内シェア2位のポータルサイト「Daum」を提供する韓国ダウムコミュニケーションが2014年5月26日に合併を発表した。8月の臨時株主総会で承認を得て、合併の手続きを完了する(ITproの関連記事:韓国のモバイルメッセージング大手Kakaoとポータル大手Daumが合併)。
Webサービスに力を入れていたモバイルアプリKakaoTalkの提供会社と、モバイルサービスに力を入れていたポータルサイトDaumの提供会社が合併することにより、市場には大きな変化が起こりそうだ。
合併後はダウムカカオという社名で、モバイル向けアプリとWebを融合したサービスを展開する。カカオとダウムの両社長は、5月26日の記者会見で「(合併により)IT、モバイルの新しい歴史を築きたい」「ゲーム、ショッピング、金融など多様な商業サービスがモバイルプラットフォームと連動し新しい市場を作っている。(合併後は)コミュニティ、情報、生活プラットフォーム事業者になる」と話した。
韓国メディアは、カカオとダウムの合併を韓国インターネット業界史上最大の合併として大々的に報じた。両社の時価総額を合わせると、4兆ウォン(約4400億円)規模になる。
韓国では特に、LINEの親会社で韓国シェア1位のポータルサイト「NAVER」を運営するネイバーとダウムカカオの競合に注目している。元祖メッセンジャーアプリでもあるKakaoTalkは韓国で必須アプリとして定着し、選挙運動や災害時や緊急連絡用にも利用されている。セウォル号沈没事故でも、被害者らは電話がつながらない家族にKakaoTalkで最後のメッセージを残していたりした。
しかし海外市場ではLINEに先を越されてしまい、LINEが先行したメッセンジャーアプリ市場に割って入るのは非常に難しい状況だ。伸び悩むKakaoTalkは、パソコンからも利用できるWebサービスやモバイル決済といった新サービスを追加しながら、付加価値を付けようとしていた。
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