韓国で下り225Mbpsの広帯域LTE-Aがスタート、コンテンツも充実度増す [2014年7月11日]

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韓国のキャリア3社は、LTE-Advanced(LTE-A)をさらに高速化した広帯域LTE-Aを6月から7月にかけて全国で開始した。下り最大225Mbpsのモバイルブロードバンドで、最大75MbpsのLTEより3倍も速い。

 キャリア3社は、最大225Mbpsの広帯域LTE-Aを全国でサービス展開したのは韓国が世界で初めてと大々的に宣伝している。韓国の場合、地下鉄の中でも広帯域LTE-Aを利用できるので、いつでもどこでも途切れることなく高速インターネットを使える。

 高速ネットワークに合わせて、モバイルコンテンツも変わり始めた。今まではトラフィックの負荷を理由に高画質なストリーミングをあまり提供してこなかったが、速度が改善したことでパケットの流れもよくなり、トラフィック問題も改善できた。7月からは、高画質な動画ストリーミングサービスや、スマートフォンで撮影しながら同時に他の人にも見せられる個人放送局、高画質ゲームが続々と登場している。

 キャリア3社中、第3位で加入者拡大と加入者当たりの売上増加を狙うLGユープラスは、月7700ウォン(約770円)で高画質な映画を見放題のストリーミングアプリ「UflixMovie」を始めた。1万2000本もある映画をスマートフォン、タブレット端末、スマートTVから視聴できるサービスだ。映画の途中で端末を変えたい場合、最初から見直さなくても大丈夫。自分が見ていた画面から続きを観られる(スマートTVでも見る場合は月約200円を追加)。

 ケーブルTVを見るようにアクション、コメディ、ロマンス、ドラマなどのチャンネルがあり、ずっと映画が流れる。番組表を見て好きな番組を視聴できるし、好きな映画を選択してVOD(ビデオオンデマンド)で視聴することもできる。「動画もLTE-A時代」になったと宣伝している。映画評論家によるお勧め作品、ジャンル別お勧め作品リストがあるので、何を観たらいいか迷ってしまうときは参考になる。好きなジャンルの新作を真っ先に表示するよう、アプリの見せ方を自分で編集することもできる。

 加入者数トップのSKテレコムは、広帯域LTE-Aならではのコンテンツとして「クラウドゲーム」に力を入れ始めた。

 パズルゲームのような単純ですぐ勝負がつくゲームではなく、パソコン向けのロールプレイングゲームやXboxのようなコンソールゲーム向けのスポーツゲームをスマートフォンでも楽しめるようしたもので、ゲームをスマートフォンにダウンロードもインストールもする必要がない。ゲームそのものはクラウド上のサーバーで実行し、ゲームをプレイしている画面だけスマートフォンに転送する方式のゲームである。

 スマートフォンの性能が向上し、ネットワークもより速くなったことで、ゲームを提供する側もパズルゲームでは物足りなくなったようだ。\



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趙 章恩=(ITジャーナリスト)

 日経パソコン

-Original column

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