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韓国では国民の8割がスマートフォンを使い、KakaoTalkやLINEのような無料メッセージ・通話アプリの利用も当たり前になっている。韓国のキャリア3社は、スマートフォンを利用するためには欠かせないネットワークを握ってはいるものの、「無料アプリ」の影響で音声通話収入は激減した。キャリア同士の料金割引競争により、データ通信収入もパッとしない。
キャリア3社は、KakaoTalk、LINEといった無料メッセージ通話アプリばかり使うユーザーを取り戻すために、この8月から「通話品質」を強調するCMを流し、「通話しながら利用できる付加サービス」を次々に始めた。
韓国のキャリアが音声通話に力を入れるのは十数年ぶりのこと。90年代後半には「エレベーターの中でも通話できる」「山の頂上でも通話できる」といったCMをよく流していたが、2000年代に入ってからは通話品質に不満を持つユーザーがさほどいなくなったため、キャリアのCMは「データ通信の速度が速い」「料金が安い」といった内容ばかりだった。
いまさらながら通話品質をうたうCMを流すということは、それだけKakaoTalkとLINEの影響力が大きいということだろう。
SKテレコムが始めた「T電話」サービスは、「安心して使える賢いモバイルコミュニケーション」を目標としている。電話がかかってきたとき、自分の携帯電話に保存していない番号でも自動検索して発信者情報をスマートフォンの画面に表示する機能と、スパム電話の可能性が高い場合は自動的に着信しないようにする機能がある。
今までは、知らない番号から電話がかかってくると、ユーザーが自分でネットや電話帳アプリで検索して、スパム電話かどうかを確認してからかけ直すのが一般的だった。SKテレコムは150万件以上の電話番号情報を保有していて、ユーザーが検索しなくてもネットや電話帳アプリで検索できる番号は自動表示してくれるので助かる。
さらに「T電話専用ホームページ」を開設し、ユーザーが自らスパム電話番号やお店の電話番号を登録または番号修正を要請できるようにした。