スマートフォンシェアが落ち続けるサムスン電子、2015年の戦略は? [2014年12月19日]

.

韓国サムスングル―プは、2014年12月17日よりサムスン電子をはじめとする全系列会社の経営戦略会議を始めると発表した。何よりもサムスン電子のスマートフォンシェアがどんどん落ちている中、世界市場での競争力強化をどうするのかに焦点を当てると見られる。

 リサーチ会社の米ガートナーが発表した2014年7~9月期の世界携帯電話市場動向によると、スマートフォンの販売台数は前年同期比20.3%増の3億100万台に達し、シェア1位はサムスン電子だった(ITproの関連記事:[データは語る]2014年Q3の世界スマホ販売ランキング、上位5社に中国メーカーが3社)。

 ただし、サムスン電子のシェアは2013年7~9月期が32.1%だったのに対し、2014年7~9月期は24.4%に落ち込んだ。サムスン電子のスマートフォンは、世界で最も売れているスマートフォンであることに変わりないが、シェアが減少し、2014年第3四半期の中国市場ではシェア1位の座を中国シャオミ(小米科技)に譲ることになった。

 この1年で躍進したのはシャオミ、ファーウェイといった中国勢である。中国やインドといった新興国で好調なシャオミの世界市場シェアは、2013年7~9月期はわずか1.51%だったのが、2014年7~9月期には5.2%に成長した。サムスン電子が世界市場シェアを守るためには、ハイエンド端末だけでなく新興国向けの低価格端末にも力を入れないといけない。

 ガートナーによると、サムスン電子のフィーチャーフォン(従来型携帯電話)とスマートフォン両方の販売台数が減少していて、西欧、アジア市場で特に減少しているという。

 米アップルのシェアは増加しており、iPhone 6と同Plusが好調なことから、2014年10~12月期には史上最大の販売台数を記録すると展望している。アップルと中国勢がサムスン電子のシェアを奪い続ける中、サムスン電子もスマートフォンの実績を立て直す戦略を発表している。

 サムスン電子はまず、2015年にリリースするスマートフォンのモデル数を2014年に比べて25~30%ほど減らし、価格競争力を向上させるという。モデル数が多すぎると研究開発費やマーケティング費用、流通費用も相当かかるからだ。モデルを絞り、大量生産で価格競争力を改善する狙いだ。


次ページ:スマートフォン担当役員7人のうち3人が退陣


趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
-Original column

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *