大画面スマートフォンさえあればいい、タブレットPCが売れない時代に [2015年2月17日]

米市場調査会社のIDCが2月初めに公開したデータによると、2014年10~12月の世界タブレットPC出荷台数は7610万台で、前年同期比3.2%減少した。IDCは2010年からタブレットPCの出荷台数を調査しているが、台数が減少したのは初めてのことだという。

 IDCが分析したタブレットPC出荷台数減少の原因は、「大画面スマートフォンの普及によりタブレットPCの需要が減った」、「タブレットPCはスマートフォンと違って買い替え周期が長い」ことだった。IDCの調査によると、タブレットPCの平均買い替え周期は2.6年、タブレットPCユーザーの37%は3年以上買い替えなしで使っていた。IDCは、大画面スマートフォンの影響でタブレットPC市場は10インチ以上モデルが中心となり、8インチ以下モデルは減少すると展望している。

 メーカー別にみると、中国のレノボを除いて、米アップルも韓国サムスン電子もタブレットPCの世界市場でシェアを減らした。2014年10~12月では、アップルが28.1%で1位、サムスン電子が14.5%で2位、レノボが4.8%で3位だった。前年同期比で見ると、アップルは5ポイント、サムスン電子は2.7ポイント、それぞれシェアが減少したが、レノボは0.5ポイント増加した。安価な中国メーカーのタブレットPCは、増加傾向にあることが分かる。

 米アップルにしても、iPhone6 PlusとMacbookはとても好調だが、iPadの販売台数は減少し続けている。アップルが公開したデータを見ると、2014年10~12月のiPad販売台数は2142万台で、前年同期の2604万台より減少した。



サムスン電子の超高画質10.5インチタブレットPC「GALAXY TAB S 広帯域LTE-A」。販売価格は約8.8万円。サムスン電子は2015年より値段を安く抑えたタブレットPCを発売するという。


趙 章恩=(ITジャーナリスト)
日経パソコン
-Original column

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