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2月19日は2015年の旧暦のお正月である。旧暦でお正月を祝う韓国では、デパートなどで「ソルソンムル」(日本のお歳暮と同じく、親戚や知人に感謝の気持ちを込めて贈り物をする)の売り出しが始まり、大賑わいとなっている。
インターネットショッピングサイトの「オークション」が2015年1月7日~2月6日までのお歳暮の動向を分析したところ、1人当たり平均4.8個のお歳暮を注文していた。人気商品の第1位は果物セットやカルビセットといった生モノに近い食品、2位はツナ缶セットやハムセットといった加工食品、3位は健康食品だった。
テレビのニュース番組が、ロブスターやサーモンなどのお歳暮セットが飛ぶように売れていると紹介していた。韓米FTA(自由貿易協定)のおかげで関税が安くなり、庶民でもこうしたものが買えるようになった。北海道のロイズコンフェクトのチョコレートや大阪の堂島ロールケーキもお歳暮として人気だという。高級なデザートをお歳暮に送るのも今年のトレンドだ。一人世帯が増えていることが背景にある。果物セットや水産物セットをもらっても食べきれないのだ。
日本酒でプチぜいたく
ソウル市内のデパートに出かけると、日本酒セットをお歳暮用に販売しているところが増えていた。韓国では日本酒を「サケ」と言い、ここ数年、人気が高まり続けている。2011年3月に起きた福島原発事故を受けて韓国政府は、東北地方産の米や水産物の輸入を禁止しているが、日本酒だけは輸入を続けている。国会の保健福祉委員会の調査によると、2012年に韓国が輸入した日本酒は東北地方産を含めて3127トンだった。これが2013年には3647トンに、2014年には7月時点で1823トンに増えている。
韓国の新聞や雑誌で、東北の温泉や日本酒の蔵元を紹介する記事が増えている。韓国メディアは韓国で日本酒が人気を集めている状況を「スモール・ラグジュアリー」ブームと分析した。スモール・ラグジュアリーは、日本語の「プチぜいたく」とほぼ同じ意味である。家やクルマではなく、酒やコーヒー、パン、チョコレート、ジュースなど食べ物にお金をかける。
スモール・ラグジュアリーを楽しむ人たちが求めるのは、これらの食べ物がテーブルに至るまでどういう過程を経たのか、安全で希少価値があることを証明する物語である。日本酒は全国各地に蔵元があり、それぞれの職人がお米選びから瓶詰めまで時間をかけて丹念に作る――こういった物語が、大量生産品ばかりの韓国でヒットした要因と言える。
NHKが2月7日、朝のニュースで、韓国で日本酒がブームになっている様子を報道していた。韓国向けの輸出が急激に伸びており、国別の輸出先では米国に次いで、韓国が2位に付けているという。ちなみに3位は台湾だ。「日本酒飲み放題」を売りにするソウル市内のお店や、産地や使用するお米が異なる複数の日本酒を色々と試飲できる専門店などを紹介していた。NHKの番組は、韓国の女性たちが日本酒を好んで飲んでいる様子も伝えていた。「日本酒は度数が強くなくて飲みやすい」「日本酒は香りがとてもよくておしゃれ」なことを好感しているという。NHKは日本酒が韓国で人気の理由について、「円安で日本酒の値段が安くなった」からと分析した。
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