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韓国の2月は卒業シーズンである。韓国は3月から1学期が始まる2学期制だ。この時期になると韓国メディアはどの大学、どの学科がもっとも就職率が高いかなどを記事にする。就職するのが非常に難しいからだ。
韓国で、就職のために自分の適性とは関係なく理工学系を選ぶ学生が急増していることがニュースになっている。2014年下半期の新卒採用で、営業や総務といった職種でも理工学系の卒業生しか採用せず、文系の卒業生からはエントリーシートすら受け付けない会社が続出したからだ。サムスングループは新卒採用の85%を理工学系の卒業生にしたことで話題になった。中小企業も事情は似ていて、研究開発でも製造部門でも働くことができる理工学系だけを採用している。
韓国の就職情報サイトによると、企業が理工学系の卒業生ばかり採用する理由は、「ITに関する知識や理工学系の思考方法が必要なビジネスが多いから」「理工学系の方が技術のトレンドを知っていて現場ですぐ使えるから」だという。
韓国教育開発院が2月初めに公開した「2014年専攻別大学生就職率」によると、工学系を専攻した卒業生の就職率は65.6%。人文社会系を専攻した学生の就職率は45.5%で、工学系の方が20%ポイントも高かった。
文系学生は観相の良さまで求められる
韓国ではついに「文系卒業生の9割は無職」とまで言われるほどになった。韓国の大学生の内訳は理工学系と文系がそれぞれ約15万人とほぼ同数なのに、就職口は理工学系の方が多い。
企業が文系卒業生に以下を求めるのは当たり前。
- 大学の優秀な成績
- 満点に近いTOEICスコア
- 欧米での語学研修経験
- 各種資格証
- 各種公募入賞経歴
- インターン経歴
- ボランティア経歴
さらに、献血回数が多いことや観相(手相のように顔を見てその人の性格や将来を占う)的に良い顔をしていることを要求する企業まである。文系は筆記試験をパスした後も4段階以上ある面接に合格しないといけない。
しかし、ほとんどの企業は、理工学系の卒業生には細かいことは要求しない。専門知識のテストと1~2回の面接だけで採用が決まる。理工学系でないと就職できないという危機感から、学生が急速に理工学系に流れる現象が起きている。
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